夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「報復ゾンビ」-7-

2016-02-07 22:57:10 | 自作の小説
メンバーの一人が消えても 心配すらしない男達だった

自分自身に厄介事がふりかかったり 嫌な思いをしたり 困ったりしない限り 他人のことなど どうでもいい
その時 楽しければいい



余りの頭の悪さに潜り込む大学も見つけられなかった男は 悪さする為の知識だけはあり 時々父親の病院から その為の薬を「調達」してきた

合鍵さえ作っておけば 男が病院に居ても見咎められない

今夜も薬剤室に誰もいなくなった時間に いつもの薬をちょろまかしに潜り込んでいた

目的を果たして部屋を出ようとすると 白衣の女性とぶつかりそうになった

「あなたは?」


「君こそ見かけないな 新人?」俺の事を知らないのか!と言おうとして 相手が眼鏡こそかけているものの ひどく美しいことに男は気づく

「ちょっと父に頼まれたんだ ここの院長の息子の明だよ」
自分ではいけてると思う笑顔を作る



「そうでしたか はじめまして」
女は安心したような笑顔になった


「仕事は終わったのかな」期待を込めて声をかける


「ええ これから帰るところです」

微笑みの残る淡い色の唇に 男の視線はひきつけられる

「だったら 駐車場まで一緒に行くよ 君みたいな美人が一人だと危ない」

女の微笑は消えなかった
「わたしは駅まで歩きなんです」


「あ ボクも駅に用があるから 一緒に行くよ」
あまりぶしつけかと男は焦りも覚えたが 女は受け入れた

「ちょっと着替えてきますから」



医者になれなかった男は 医師という職業にコンプレックスと裏返しの憧れもあった

自分にひっかかってくれる美人なら何だっていい男でもあったが

父親の病院の医師なら 最初だけは余りヘタなこともできない


少し歩くと

「わたし ちょっと買い物があるんです だから ここまでで・・・」ーと女が言いかける

「付き合うよ」
男の笑顔は どんどんだらしなくなっていく

女が人気のない寂しい方へ歩いていくことに 男は気づかなかった


暗い路へ進んでいることにも


壊れた塀の向こうを女が指さす
「あら! あれは何でしょう」


「え?!}


「ほら 何か光ったものが ちょっと見てきます」

つられて男も塀の向こうへ入ってしまう


塀の向こうには 星の明かりも届かない

女の声だけが聞こえる

「あなたは何故 ついてくるのです」

声の響きが変わったことに男は気づけない

「興味があるから」

「わたしの心 体 どちら」

その蠱惑的な声に男は 女も「その気」だと思い込む


「あなたはわたしを知っているはずなのに」

「それはー」どういう意味なのかと問いかける男の喉が血を噴いた

女の手にはメス


倒れた男の傷に触れ 指で血を掬い女は呟く

「やっぱり まずい・・・」

「報復ゾンビ」-6-

2016-02-07 18:55:24 | 自作の小説
その夜 男はくさっていた 
仕事はうまくいかない ナンパは失敗する
例の憂さ晴らしがしたいのにーそんな日に限ってメンバーと連絡がつかない


不景気な面(ツラ)で グラスを重ねている


ーと 凄い美人が横に座った

「珍しいのね 一人?」
女が声をかけてくる

男には 心当たりがなかった

「久しぶり わたしを覚えてないの」なおも女が続ける

浮かべる笑みはひどく妖艶だ

「案外 薄情な男(ひと)なのね」


しけた夜が天国になったように男は思う

女は黒いサングラスで魅惑的な瞳を隠すと 色濃く塗られた紅い唇だけで男を誘う


ふらふらと・・・・男は 女の後をついていく


それは 死への片道切符

地下へ続く階段 灯りなき道を女は進む

暗く口を開けた濃い闇の向こうへと男は誘い込まれた



男が望んでいたのは 柔らかな女の唇

服の下の白い肌

女は優しく男の頬を撫で 冷たい声で囁く

「本当に わたしを覚えてはいないのね」

男の胸の奥へ差し込まれた女の白い指は 男の心臓(ハート)を握りつぶした

指についた血を舐めて一言「まずい・・・」


足元には出来立ての死体


血の匂いにひかれて 廃墟のようなビルに住み着いた鼠達がやってくる
彼らには男の死体は極上のご馳走に違いない



女に刻まれた昏(くら)い記憶 だらしなく笑う男達の顔
その男達は 彼女を殺したあとも罪を重ねていた

むしろ彼女を殺したことで良心のブレーキは壊れ「やりたいことをやっていい・・・」

自分たちに捕まるような女は殺していい
狩りの獲物 そう思ってもしまったようだ


前から その男達は 女性を車に連れ込んでは ある場所で好き放題にいたぶっていた


そのことを知る人間は 彼女のことを「消えたほうがいい存在」と話す

いなくならなきゃいけない存在と




変貌を遂げた女は 狩る側になる 

消えない痛みと寒さをその身の芯に抱えたまま


お天気がころころ変わる日曜日

2016-02-07 15:15:48 | 子供のこと身辺雑記
日曜日だけれど用事があり学校に行く長男を駅まで送ってから 広がる青空にーそうだ お墓の掃除をしに行こうと思いついた私

とっころが お供えのお菓子を買って  トイレのあるスーパーで食料品など買って 次は花屋さんに寄ると ちょっと曇ってきました
あらら・・・雪です

どうせ積りはしないわー

と 霊苑に着いたら 雪は止みました

そして掃除を終えて霊苑ある山を下るとまた雪が降ってきてーまあ ちらつく程度ですが

帰宅して買ってきた食料品を片付けて ちょこっと料理して 庭に出て犬を少しかまっていたら また青空になりました


帰りは飲み会を予定している長男
今夜も遅くなりそうです


先日などは 近所の駅までの電車はなく姫路駅までギリギリの日付が変わってからの時間になった長男





↑は その時 私が車を何処に停めているかのヒントとして 長男にメールで送ったもの

こんな遅い時間に迎えに行く車は僅かで 酔っている長男も何処に車があるか すぐわかったーそうです

でも不安そうに車を覗いていたけれど^^;


料理ができたらー風邪薬と栄養剤と一緒に姑の家に居る主人に届けてきましょう