夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

ヒロインは死にません!(たぶん最終回までは!?)死んじゃったらドラマが そこで終わりですから

2016-02-19 11:35:29 | テレビ番組
昨日放送の「あさが来た」では 大隈重信役を高橋英樹さん 夫人の綾子役を松坂慶子さんという組み合わせ

これは過去のNHKの大河ドラマ「国盗り物語」にて 織田信長(高橋英樹)と濃姫(松坂慶子)この当時実に適役であった この配役以外考えられないー人気もあったお二人の再びの共演で もうそれだけで嬉しくなってしまった

夫を立てながら実は巧みに操縦もされているような賢い妻を松坂慶子さんが余裕で好演なされば 大人物ぶりを高橋英樹さんが体現

歳月を経ての夫婦役での共演はその呼吸も見事で あさ役の波留さんの演技に華を添えておりました


そして今日は東京での大隈重信邸訪問が大成功に終わり 大阪へ戻ってきたあさを取り巻く人々の奇妙な視線
それからの新次郎の暗い表情



銀行の悪い噂で顧客も減っていると聞かされる
それはあさが顧客から集めたお金を女子大設立なんぞに使おうとしているー
客でもない成澤の為にーと支配人の平十郎も あさを責める
あさのしようとしていることは「奥様の道楽」にすぎないと


女子大設立は百年先の日本を見据えた志の高い行為  銀行のことを思ってとはいえ ここで「奥様の道楽」扱いしてしまった平十郎は志の低い人間ということにもなる

それでも先日から銀行におしかけている危ない客(ラサール石井)から あさを守る為もあり悪い評判がおさまるまではー銀行には顔を出すなーと話す榮三郎


女学校から戻ってきていた千代(小芝風花)は そんな落ち込んでいるあさに自分の不満をぶつけてしまう

人として幼いなあと私は思ってしまった

私は一人っ子の一人娘 母も仕事を持っていたので いわゆる「鍵っこ」で 学校から戻って家に母が居ても居なくても お茶碗片付けたり買い物や食事の支度は普通に自分のするべき仕事であった
自分で仕事をしながら母は身体が弱いこともあり 家にいられる時には寝ていることも多かったので

学校を卒業して 料理学校に通うまでは 家庭科の調理実習で覚えた料理とか あれこれ工夫して料理していた

少し離れた所に住む年下の従弟達の世話をしながらの留守番もあった

一人でいるのが普通であったので それを不満に思ったことはない


千代には同じ家に祖母もいる 世話もしてくれる人も

思春期かつ反抗期でもあるのかもしれない

それでも甘えてる 甘やかされて育っているー

母親からしたら「この・・・ひねくれもん」くらいは言ってしまうだろうなと

それが当たり前で育ってきて 自分が無いところばかりが気になる年頃なのかもしれない

ああ わたしってかわいそう

分かるけれども 馬鹿だなあ 愚かだなあと 

これから生きていくと 自分がどんなに恵まれていたかー気付くのだろうなと


人に投げつけた言葉は それでつけた傷をいやすことはむずかしい



そういうことまで考えさせる大森美香さんという脚本家は凄い方だなと思います


さて娘に泣かれてしまったあさの心を少しは救ったのは 娘の友の宣でした


銀行には困りモンの客の萬屋左衛門(ラサール石井)が押しかけ あさを出せ!と暴れています
あさの悪口を言い 女性行員に不埒な振る舞いにさえ及ぼうとするのです

この逆恨みアホ男を止めたのは 日頃は非力な優男を思われているあさの夫の新次郎(玉木宏)でした

取り押さえて一喝します

肚に据えかねることが二つある
女に手をあげる男
嫁さんの的外れの悪口を言われること



出ていっておくんなはれ!

厳しい表情で言い渡すのでした


この迫力におされて 出て行った萬屋でしたが



いっぽう なんとか千代と話したいあさは 千代の帰りを待っています

目立たないようにてぬぐいを頭にかけて 顔を隠して






戻ってきた千代に いろいろ話がしたいーと言いますが 千代は話すことはないーと通り過ぎてしまうのです






とっころが! 背後で物音 
思わず振り返る千代





「千・・・代・・・」
お腹を押さえて崩れるようにー倒れて動かなくなるあさ

脇に立ち 包丁投げて「自業自得や」と言い捨て 逃げていく萬屋



自分が手腕なく商売に失敗し酒に溺れて 銀行が金を貸してくれんのが悪い 家族を殺すんかー
だから刺したる 殺(い)てもたるんや!
ーと自分を正当化

でも刺したあとは 怖くなって逃げていく さすがは!卑怯者です


「いやや! おかあちゃん」


千代の声に店から出てきた新次郎
倒れている恋女房の姿に もう必死です





あさ! あさ!
と必死に呼びかけるのでしたがー







このあとあさイチのゲスト藤原竜也さんは「秩父の悪魔」と呼ばれていた時代があったそうです

井ノ原さんが「何処にいても悪魔は悪魔でしょう」

NHKの番組の流れに ちょっと笑ってしまいました



本当は おかあさんが大好きで大好きでかまってほしくてー
でも素直にはなれなかった千代


ずっとお母さんが元気で生きていることはないのだ
その危機感からでも 

だからこそ母親と過ごせる時間の大切さに気付けたら いいなと思います

偉大な母親の娘でいることは それはそれで大変なことです

どうしても越えられない「親」の存在

けれど偉大な人物が自分の母親であるという人生の幸運に気付いてくれたらーと ドラマではありながら思います



今日は心底 あさを大切に思う新次郎さんという人間の行動と言葉に 心打たれました

こうしたドラマの脚本が書ける大森美香さんの凄さにも感じ入りました







中山七里著「静おばあちゃんにおまかせ」(文藝春秋)

2016-02-19 09:45:41 | 本と雑誌
静おばあちゃんにおまかせ
中山 七里
文藝春秋


文庫化もされております

退官して四半世紀近く経つ元裁判官の高円寺静を祖母に持つ女子大生の円 彼女の両親は飲酒運転の人間の車に轢かれて死んだ 父親が庇った為に円だけが助かったのだ
しかし飲酒運転ではないことにーなっていた


そして円は 静に引き取られて「高円寺」の姓になる

そんな円と事件絡みで知り合った刑事の葛城公彦は 彼女の聡明さにひかれた


第一話 静おばあち気いたゃんの知恵
かつての上司の椿山が殺人事件の容疑者になっていることを知った葛城は単身 事件を調べ始めるがー管轄外など警察の縄張り意識などに阻まれる
それでもかつて指導してくれた椿山警部への恩返し お礼をしたい気持ちだけで 葛城は真実を追求する
円に話を聞いた静は 真相を見抜いた




第二話 静おばあちゃんの童心
円と似た身の上の朝倉美緒の祖母が自宅で殺された
例によって葛城の捜査に協力した円から話を聞いただけで静は犯人を見抜く



第三話 静おばあちゃんの不信
上司の娘が新興宗教にのめりこみ家出
その宗教団体のインチキを暴き その娘を取り戻すーという難題解決を命じられてしまった葛城
協力した円にも危機が迫りー
気落ちが昂ぶった葛城と円は遂にー




第四話 静おばあちゃんの醜聞
円の両親を轢き殺したーとされている三枝に会った円はあることに気付く

その三枝は 思い込みから無実の人間を犯人にしようとしていた
冤罪を阻止するべく体もはる葛城



第五話 静おばあちゃんの秘密
ロドリゲス大統領が殺されてー犯人がわからないー国家の威信をかけて事件を解決しなくては!その捜査に駆り出された葛城

話を円から聞いただけで事件の真相を見抜く静

自宅で静は円の両親を死なせた男とも対決する

その場所は自宅でなければならなかった

何故なら静は幽霊だから

円を一人にすることが心配で心配で 幽霊になってしまったのだ

けれど もう円には葛城がいる


安心して大切な孫娘を託せる男がー






願ったものは孫娘の幸せ

そして正義