イワウチワ。
春に咲く花なのだが、野生のものは今まで見たことがなかったのである。
ここ数年、この花をじかに見てみたいという思いが強かった。
2週間前は、その花が見られるかもしれないということで、仕事関係の用事が終わった日曜の午後に出かけてみた。
しかし、午後からではあまり高いところまで登ることができず、イワウチワとの対面はできなかったのであった。
今年の春は、例年より雪が多かったせいで、春の花の時期が少し遅れがちである。
今日は、山形県の飯豊の入口、温身平(ぬくみだいら)の入口までドライブに出ることにした。
4月29日にはまだ雪が多くて、温身平までの林道も、入口でまだ門が閉ざされていた。
4週間ぶりに訪ねると、さすがに道は通っていたが、まだ林の中や道の山側には雪がかたまりとなって残っていた。
やがて、去年の秋に紅葉と川の流れが美しいと思った橋まで来た。
【去年の秋】
【今日の景色】
春は春で、新緑が明るくまぶしいし、川の流れは清冽である。
そこで風景写真を撮っていると、タムシバや山ツツジもきれいなので写真に撮っていると、ふと、足元にうすいピンクの花が咲いているのが目に入った。
葉は、イワカガミに似て丸くつやがある。
花弁は5枚、花びらの先端がギザギザになっている。
おお、これこそ、ずっと見たいと憧れていた、イワウチワの花だ!!!
「イワなんとか」という野草は、確かに岩の上や斜面に生えていることが多い。
今までに見てきたイワカガミやイワナシも、斜面に生息しているのを見ることが多かった。
イワウチワも、たしかに斜面に見つけることができた。
実物を見て、可憐な花だと改めて思った。
一番会いたいと思っていた花に、こんなところで会えるなんて。
いやあ、予想外の出逢いに「今日はいい日だ。」と思ったのであった。