さよなら、ピアノ。
24年間わが家にあったピアノと別れになった。
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最もたくさんこのピアノを弾いていたのは、娘だったのだけれども。
このピアノが来たときは、娘が小学1年生の3月であった(そうだ…記憶力の弱い私には定かではない)。
娘がピアノを習い始めたのは、小学1年生。
当時家にはわが家には電子ピアノしかなかったので、私の母(娘の祖母)がお願いして、元小学校のX先生のお宅から譲り受けたのだった。
Ⅹ先生は、実は私や私の父の出た小学校の先生だった方だ。
生前、私の父と親交があった。
実は、私の父の遺影は、そのⅩ先生と父と私とで一献傾けた時の写真である。
定年退職後は、塾を開き、習字、珠算、ピアノなどを教えていた方だった。
私も、小学校時代、習字や珠算を習いに行った。
ただし、ピアノは、習わなかった。
私の周辺の同級生どもは、ピアノなんか男のすることじゃない、という偏見に満ちた奴らだったから、とても習うどころではなかった。
そのうえ、私は手先が不器用で、ハーモニカにせよリコーダーにせよ、大の苦手だったから、これ以上楽器に携わりたくないというのが、小学校時代の本音であった。
ただし、それはこの稼業を選んでからというもの、不自由することが多かった。
自分が不自由をした経験から、自分の子どもたちには、①ピアノ、②水泳、③スキーの3つは身につけさせたいと思ったのだった。
そんなことで、娘や息子にピアノを習わせることにしたのだが、やはり電子ピアノではなく本物のピアノが必要だと、ピアノ塾の先生に言われたのだった。
そこで、Ⅹ先生が亡くなった後、母が、孫のためにとそこのお宅にお願いして、譲り受けたのだった。
娘が、最初のピアノ発表会の日、周囲をゆっくり見回しながら、発表会の始まりのあいさつをしっかりと言えたことが、思い出される。
ちなみに、最初に弾いた曲は、「だるまさん」だったっけ。
毎週ピアノを習いに行く前に、おさらいして弾いていたのを思い出す。
ただし、息子は、あまりおさらいせずに行ってばかりいたので、あまり上達しなかったなあ…。
娘は、専門学校生となって保育園に実習に行った頃も、よく弾いて練習していたっけ。
そんな子どもたちの成長を支えてきてくれていたピアノであった。
このたび、X先生のひ孫にあたる子が、ピアノを弾く年齢になった。
そこで、今わが家のピアノが使われていないようなら貸してもらえないか、と、故Ⅹ先生のお宅から相談があった。
現在、娘はこんな状態だし、およそ弾ける状態ではない。
快くお返しすることにした。
娘にもそのことを話すと、「いいよ。」とのこと。
そうは言ったが、何せ記憶の残らない今の状態では、すぐに忘れてしまうのだろうなあ…。
娘も、息子も弾いたピアノと別れる日が来た。
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かけていたカバーも、器用な私の母が縫って作ってくれたものだった。
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父とも、母とも、縁のあるピアノと言えた。
ちょっぴり、惜しい気もした。
当日、250kgもあるピアノをどうやって移動するのかと思ったら、さすが専門職。
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わずか2名の男性が、協力し合ってトラックまで持って行った。
なくなってしまったピアノの場所。
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なんだか、さみしいなあ。
でも、今まで娘や息子の育ちを豊かにしてくれたのだった。
ありがとう、さようなら。
「わが家の」ピアノ!
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24年間わが家にあったピアノと別れになった。
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最もたくさんこのピアノを弾いていたのは、娘だったのだけれども。
このピアノが来たときは、娘が小学1年生の3月であった(そうだ…記憶力の弱い私には定かではない)。
娘がピアノを習い始めたのは、小学1年生。
当時家にはわが家には電子ピアノしかなかったので、私の母(娘の祖母)がお願いして、元小学校のX先生のお宅から譲り受けたのだった。
Ⅹ先生は、実は私や私の父の出た小学校の先生だった方だ。
生前、私の父と親交があった。
実は、私の父の遺影は、そのⅩ先生と父と私とで一献傾けた時の写真である。
定年退職後は、塾を開き、習字、珠算、ピアノなどを教えていた方だった。
私も、小学校時代、習字や珠算を習いに行った。
ただし、ピアノは、習わなかった。
私の周辺の同級生どもは、ピアノなんか男のすることじゃない、という偏見に満ちた奴らだったから、とても習うどころではなかった。
そのうえ、私は手先が不器用で、ハーモニカにせよリコーダーにせよ、大の苦手だったから、これ以上楽器に携わりたくないというのが、小学校時代の本音であった。
ただし、それはこの稼業を選んでからというもの、不自由することが多かった。
自分が不自由をした経験から、自分の子どもたちには、①ピアノ、②水泳、③スキーの3つは身につけさせたいと思ったのだった。
そんなことで、娘や息子にピアノを習わせることにしたのだが、やはり電子ピアノではなく本物のピアノが必要だと、ピアノ塾の先生に言われたのだった。
そこで、Ⅹ先生が亡くなった後、母が、孫のためにとそこのお宅にお願いして、譲り受けたのだった。
娘が、最初のピアノ発表会の日、周囲をゆっくり見回しながら、発表会の始まりのあいさつをしっかりと言えたことが、思い出される。
ちなみに、最初に弾いた曲は、「だるまさん」だったっけ。
毎週ピアノを習いに行く前に、おさらいして弾いていたのを思い出す。
ただし、息子は、あまりおさらいせずに行ってばかりいたので、あまり上達しなかったなあ…。
娘は、専門学校生となって保育園に実習に行った頃も、よく弾いて練習していたっけ。
そんな子どもたちの成長を支えてきてくれていたピアノであった。
このたび、X先生のひ孫にあたる子が、ピアノを弾く年齢になった。
そこで、今わが家のピアノが使われていないようなら貸してもらえないか、と、故Ⅹ先生のお宅から相談があった。
現在、娘はこんな状態だし、およそ弾ける状態ではない。
快くお返しすることにした。
娘にもそのことを話すと、「いいよ。」とのこと。
そうは言ったが、何せ記憶の残らない今の状態では、すぐに忘れてしまうのだろうなあ…。
娘も、息子も弾いたピアノと別れる日が来た。
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かけていたカバーも、器用な私の母が縫って作ってくれたものだった。
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父とも、母とも、縁のあるピアノと言えた。
ちょっぴり、惜しい気もした。
当日、250kgもあるピアノをどうやって移動するのかと思ったら、さすが専門職。
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わずか2名の男性が、協力し合ってトラックまで持って行った。
なくなってしまったピアノの場所。
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なんだか、さみしいなあ。
でも、今まで娘や息子の育ちを豊かにしてくれたのだった。
ありがとう、さようなら。
「わが家の」ピアノ!
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