ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

理念は立派でも、結果が出なくては…~J2アルビ、ついに鈴木監督解任~

2018-08-08 14:41:23 | アルビレックス新潟
サッカーJ2リーグ、アルビレックス新潟の鈴木政一監督の解任が発表された。

「やっぱり」というか、「とうとう」というか、「遅い」というか、「遅すぎる」というか、人によって違うだろうけれど、アルビレックス新潟を応援する人なら、皆うなずくニュースだろうと思う。

今までも、監督交代を訴える人たちはたくさんいたが、私はまだ鈴木監督を信じたい気持ちもあったのだ。
それは、「育てることと勝つことと」(叢文社)という鈴木氏の著書を読んでいたからだ。

本の帯の裏側には、

キーワードは、“観る” そして、“プレーヤーズ”・ファースト。
自分を知り、味方を知り、相手を知る。正確な分析が勝利へと導く。

と書いてあった。
しっかりした理念がありそうだと思った。

そして、本の終盤には対談形式で、「理想のチームづくりはどうあるべきか」について、氏の考え方がしっかり出ていたところがあった。

個々の力を最大限に発揮して、チーム力で戦う、それが大事です。
勝てないことを選手の理由にして、選手を代える。それは、違う。もっと大事なことがあるのに、それに目をつむって選手の能力を理由にしてはいけません。
(もっと大事なこととは、)“プレーヤーズ・ファースト(選手第一優先)”という考え方です。この考えが日本には少ない。私がJリーグのクラブでいつも言っていたのは、“選手はクラブの財産”ということです。よい準備をして、チームの状態がよくなっているが、どうしても結果が勝利に結びつかない。やれることをすべてやった上で、どうしても結果が出ない場合は、選手交代もやむを得ない。

一番の問題は、組織にあると思っています。
あるクラブの強化担当者に相談されたことかあります。そのクラブは長い問、成績を残すことができずにいた。その強化担当者には監督経験も、指導経験もありませんでした。
 強化担当者「鈴木さん、いろいろ試しているんですが、どうしたらいいのか分からなくなってきました」
 鈴木   「全部、監督任せにしていないか」
 強化担当者「言われてみると、そうですね」
 鈴木   「このクラブは、こういうチームをつくって、こういうサッカーをする。そういう理念がどのクラブにもなくてはいけない」
クラブは監督を誰にするかを選ぶ。しかし、なかなか結果が出ないとします。この場合、監督が意図するチームの方向性とクラブの目指すチームの方向性が合致している場合、クラブは我慢するか、監督をクビにするのかの判断をすればいい。
たとえクビにしても、クラブにビジョンがあれば次の監督をそのビジョンに沿って選ぶことができる。しかし、結果が出ないからと、ビジョンもないのに監督を代えていたら選手が迷ってしまう。
強化の人間にもさまざまなタイプがある。フロント(クラブ上層部)にいても、上司の言うことになびいてイエスマンになっているタイプや、現状を見ながら選手のためにと上司と戦うタイプ…。このような状態では、Jリーグはよくならない。


…このような考え方は、非常に共感できるものであった。
「このクラブは、こういうチームをつくって、こういうサッカーをする。そういう理念がどのクラブにもなくてはいけない」
この言葉に、チームづくりについての理念があると感じていた。
J1に戻っても活躍できるチームづくりをしようとしているのだろう、とも考えられた。
だから、期待していたのだが…。

勝負の世界では、やはり勝利が最大限に求められているのに、勝利という結果が出せないのでは、結局説得力に欠ける。
契約解除、やむなし、である。

3年連続で監督代行を引き受ける片渕コーチにも、選手たちにも内心複雑なものがあるだろう。
だが、試合は待ってはくれない。
土曜日には、もう第28節となる栃木線がホームで行われる。
しっかり態勢を立て直して、一丸となって泥臭く勝利に向かうアルビレックス新潟の選手たちの姿が見たいと思う。


コメント
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