ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

熱海の土砂災害

2021-07-05 18:11:10 | 自然・季節
30代のころ一緒に勤めた同年代の同僚が、その後会うたびに「老後は熱海に住みたい」と言っていた。
会う場所が日帰りの温泉施設だったせいか、話題はいつもそのことばかりだった。
その元同僚は、50代で早めに仕事を辞めてしまったが、熱海移住の夢を実現したかどうかは聞いてはいない。
今回の土砂災害で、急に彼のことが気になってしまった。

熱海には、2007年の11月と2013年の2月の2度、行ったことがある。
熱海にあるMOA美術館に、尾形光琳の紅白梅図があるということで、それを見たくて訪れた。
11月に行ったときには、公開する時期ではないということで、見ることがかなわなかった。
そこで、いつかは2月に行って、それを見てみたいと思ったのだった。
そして、6年後の2月、再訪して紅白梅図を見ることができた。

熱海に2度行ってみて分かったのは、熱海は傾斜の急な土地だということだった。
「金色夜叉」で、寛一お宮が熱海の海岸を散歩するという表現があったが、海岸は平地というイメージがあった。
それが実際に歩いてみると、急な坂道や階段ばかりなのであった。

2013年に書いたブログに、その時の様子が書いてある。

熱海駅から、MOA美術館行きのバスに乗る。
熱海は、平地がないイメージである。
すばらしく坂ばかり。
バスも、くねくねと細い道を右に左に登っていく。
時折待ってあげないと、対向車とすれ違えない。


土砂崩れが起こったのは、私たちが歩いたりバスに乗ったりした道とは違うが、やはり急な土地であった。
その土地を駆け下る、強い土石流の映像は、衝撃的であった。
あんなにすさまじい勢いで大規模な土石流が襲ってくるとは。
普通の家が、簡単に壊され流されていく様子は、被害が尋常なものではないことを見せつけられた。
傾斜が急であり、流れ出た土砂の量も半端ないので、捜索・救出作業もきっと困難を極めていることだろう。
まだ、何十人も不明者がいるとのこと。

行ったことがある土地で災害が起き、悲惨な出来事が起こってしまうのを見るのはつらい。
被災された人たちは、どれほど大変な思いをしているだろう。
諸作業の進展を祈るとともに、少しでも多くの人が見つかり、少しでも犠牲が少なくなることを祈りたい。

コメント
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