ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

アルビレックス新潟の勝利よりも印象的だったドラゴン久保!

2010-09-10 23:47:52 | ひと
天皇杯2回戦。アルビレックス新潟対ツェーゲン金沢の試合を見に行ったのは、ちょっとした危機感から。
矢野貴章のドイツ・フライブルクへの移籍。
チョ・ヨンチョル選手の韓国代表への招集。
酒井高徳のU-19日本代表への招集・仙台カップ国際ユースサッカーへの出場。
そして、永田充選手の日本代表への緊急招集。
2週間前の試合でレギュラーを張っていた選手たちが4人も欠けてしまった。
そのうえ、金沢には、FWに元日本代表だった「ドラゴン」こと久保竜彦選手がいる。
こちらは、永田・酒井とDFの選手が2人いないのだし、不安があったのだ。
ジャイアント・キリングを起こされたら、たまったものではない。
いくら金沢が、2日前に試合をして中1日の悪コンディションだとしても、ドラゴン久保が爆発したら、どうなるのかという一抹の不安があったのだ。

久保竜彦選手。
2004年にジーコジャパンが欧州遠征を行ったとき、強豪チェコを相手に1-0で勝利した。
その決勝点となる1点を取ったのは、まぎれもなく久保選手の個人技から放たれた力強いシュートだった。
2007年にはJ1に上がったばかりの横浜FCに所属し、浦和との開幕戦、超ロングシュートでの同点ゴールは、誰しも驚くスーパー・シュートだった。
その後、腰痛等の身体の不調が多く、あちこちチームを変わったが、今はJFLの金沢所属となっている。

ピッチ上で練習を始めた久保選手には、圧倒的な存在感を感じた。
試合でどんなプレーを見せてくれるのかについては、敵ながら楽しみになった。

そして、試合。
身体能力の高さを感じる。
最初のうちは、永田選手に代わって出場の新潟のDF鈴木大輔選手が、ボロボロにやられるのではないかと思ったほどだった。
しかし、そんな中でも、さすがにJ1で上位をうかがう新潟の選手たちは、しだいに久保選手の対応に慣れ、彼が自由に動けるようにはさせなくなっていった。

とは言うものの、久保選手の2本のシュートには度肝を抜かれた。
ドッコーン!
なぜ、あのような遠距離から、あのような低く速く鋭く重い(と感じる)シュートが撃てるのだ!?
しかも、シュート体勢に入ってから蹴るまでの動作の速いこと。
トラップして反転して蹴る。
そして、蹴ったボールは、テレビで見たワールド・クラスの選手に匹敵する速さで低く飛んでいく。
モノが違う!
と思った。
また、この姿を見て、本当に日本を代表し世界に通用する力を持ったストライカーだったのだなと思った。
惜しむらくは、全盛期を過ぎてしまったことだ。
もし、万全の体調でW杯ドイツ大会などに出られていたなら、彼は、そして日本のサッカーはどうなっていたのだろうと、もったいない気がした。

試合は、久保選手にゴールを奪わせることもなく、結果的に新潟が3-0で勝利した。
いつもは3万人を越える観衆も、わずか5664人だった。
でも、見に行ってよかった。
新潟勝利の喜びを味わえたことはもちろんよかったのだが、ドラゴン久保の往年の輝きを目の当たりにすることができたことが、うれしかった。
年齢を重ねても、まだまだこんなにすごいワールド・クラスのプレーができる。
久保竜彦選手。ピッチの上で、まだまだその輝きを見せてほしい。そう思った。

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