ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

苦しさの中に楽しさを見つけて完走~新潟シティマラソン2024~(5)

2024-10-17 15:37:37 | RUN

この土手道を行きながらも、あと12km。

日常生活で12㎞歩くことはないが、今は前に行くのみ。

歩いて、歩いて、歩いて、走って、また歩く…で進む。

 

31㎞過ぎ、分水の川の上を舟が進むのが見えた。

気持ちよさそう、なんて快適そうなのだろう。

 

31.8㎞で第9エイド。

ここでも水とスポーツドリンクを取る。

書き忘れたが、第7エイドあたりだったか忘れたが、紙コップがなくなってしまっていて、手で受けて水を飲んだ場所もあった。

こんなのは初めての経験だった。

このエイドの裏にたまっているゴミ袋を見ても、相当な数の紙コップゴミが目に入った。

手で給水を受けたのは、環境を考えたエコな行いだったのかもしれないな。

 

同じような土手の風景が続くと、本当に遠く感じる。

そう思っていたら、急に名前を呼ばれて声援を送っていた女性は、40代の息子を持つ母だった。

その息子の小学校時代に、私は持久走の練習を教えたことがあったのだ。

「ゆっくり走っていないで、早くゴールしてスカパー見て、アルビ応援しないと!」

と、ありがたい声援を送られた。

その手には、アルビの応援うちわが握られていた。

「はーい!」とは言ったものの、脚の痛みからまた歩き出してしまったときは、期待に応えられなくてゴメンナサイの気分であった。

 

32.8kmの第4関門は、35㎞の折返しまで行って戻る人も通る、コースの要衝ポイントだ。

さらに、そこを通るときには、毎回楽しみにしているのが、ハイタッチである。

ここは、Qちゃんこと高橋尚子さんがいつも行くランナー・戻ってきたランナー双方とハイタッチをしてくれる場所なのだ。

今年も、ここにいてくれた。

このQちゃんポイントで、「毎年、今年もありがとうございま~す」とお礼を言いながら、ハイタッチをかわした。

あ、毎年と言ったけど、去年はいなかったっけ。「2年ぶり」と言えばよかったかな?

 

33kmポイントを過ぎて、第10エイド。ここには、毎年もも太郎アイスが置いてあるのだが、去年はもう「売り切れ」状態になっていた。

今年は、…?

暑い日だったせいもあり、やっぱりもう「完全消費大御礼」状態であった。

遅いと損をするねえ…今年もありつけず無念じゃ…。

仕方ない、カニカマご飯いただこう。

 

この後、毎年ごせん紅葉マラソンで会う知り合いのランナーの方に声をかけられた。

初めてお会いしたときに小学校1年生だった娘さんも中3で、来春は高校受験生なのだとか。

8年以上か…時の流れは早いなあ。

100歩くらい同行して走りながら話したが、脚がそれで限界。

「すみません、先に行ってください」とお願いせざるを得なかった。

 

長かった土手道もようやく35㎞近くの折り返し。

今度は下の道に降りた。

上をまだまだたくさんのランナーがやってくる。

上も下も、みんな歩いたり走ったり。

「痛いのは気のせい」という応援ボードを持っていた女性がいた。

「応援ありがとうございます。でもこの痛みを味わうために走っています。」

と言うと、笑ってくれた。

 

36.3㎞は、さっきの第10エイドと同じ場所だけど、第11エイド。

口の中が乾くと、こんなせんべいたちもうまく飲み込めないから、ウエアのポケットに突っ込んで、あとで食べるか、家へのお土産にするか…。

 

歩くランナーが多い中、後ろから走る足音が2つ迫ってきた。

抜かれた背中を見たら、「視覚障害」と書かれたビブスを着たランナーと伴走ランナーだった。

こういうシーンに出くわすと、「すごい。がんばっているなあ。」と感心しつつ、自分が健常者なのにと情けない思いが湧いてくるから、不思議なものだ。

でも、自分の脚はもうついていけなくなって久しい。

40、50歩ほど走ると、痛くなるので、後は歩く。

そして、その痛みがしずまったら、また40,50歩走る。

その繰り返しで前へ前へ。

 

今度は、「苦しいのは気のせい」と書いたボードを持って応援する年輩の女性がいた。

これに応える。近寄っていって、

「この苦しみを味わうために今年も参加しています」

と言うと、「ハハハハハ」と笑ってくれた。

でも、これは私の本心だ。

痛い、苦しいは当たり前。でも、生きて42キロに挑戦しているからなのだよ。

 

さきほど高橋尚子さんがいた場所に、もう彼女はいなかった。次の激励場所―たぶんゴールの陸上競技場近くへ移動したに違いない。

きっと、他のランナーを鼓舞しながら一緒に走って行ったのだ。2017年のときの私のように。(下に当時のブログ)

 

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平成大橋に上がって、関屋分水の対岸に渡る。

その途中で、37㎞ポイントがあるが、もっとうれしくなるのは、同じ橋上でこの看板があること。

 

あと5kmだ。

まさに、ここからカウントダウンが始まる感じだ。

 

河口が近いこの土手道からは、川幅がずいぶん広く感じる。

そこを遊覧船のような船が下流からやってきた。

後方に乗った客が、両手を振っていたので、こちらも大きく手を振って応えた。

 

38㎞そしてあと4㎞のポイントを立て続けに過ぎていく。

そこには、第12エイドがあった。

ここのエイドは、フードを供給する最後のエイド。

ご飯よりバナナだな。

 

この後の道が、少しだけ遠回りに変わっていたのはなぜかな?と思いながら本川大橋にかかると、その上が39km地点。

渡り終えると、あとは信濃川と並行している道を道なりにまっすぐ行けばよい。

よく「墓石みたい」と悪口を言われる新潟県庁のビルも見えた。

あと3kmだ。

でも、遠く感じるなあ。

 

ここまでのラップタイム。

㉛8分55秒 ㉜9分13秒 ㉝9分18秒 ㉞9分10秒 ㉟9分19秒 ㊱9分29秒 ㊲9分14秒 ㊳9分36秒 ㊴9分9秒 

9分台ばかりというのは、歩きと走りのバランスが安定していたということ。

ほぼ同じペースなのは、痛みと戦ってがんばっていた証拠と言っていいのじゃないかな。

                (つづく)


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2 コメント

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Unknown (りゅーと)
2024-10-17 19:27:01
 高橋尚子さんがいつも行くランナー・戻ってきたランナー双方とハイタッチ…、素晴らしいですね〜。遅れた方の中には「今年はQちゃんとハイタッチできなかった、くやし〜」って人もいたのかな。

 「この苦しみを味わうために今年も参加しています」、う〜ん、名セリフですね〜。
 ゴール近しですね。これからもよろしくお願いします。
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長くてすみません (50fox)
2024-10-17 21:42:11
>りゅーとさん へ
高橋尚子さんは、ゲストランナーの中でもプロ中のプロですね。新潟シティマラソンでは、私は毎回必ず「はじめ」「なか」「おわり」に会えるのです。この回のものは「なか」に当たります。もう1回「おわり」近くに会えます。それは次回に書きますね。
今回で終わろうとしたのですが、奮戦記、長すぎてすみません。長々だらだらと続きましたが、次回でいよいよラストにします。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
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