今から1300年前、中国は唐という時代だよ。中国にひとりの天才詩人が誕生しました。名を「李白」と言います。
「李白」、知ってるヤツ、正直に、ちょっと拍手してごらん。(拍手)
李白、杜甫、白居易。これ位はね、覚えておいてもらいたいんだけどな。
その李白、10歳ですでに詩を書いてんだぞ。それが、20代になって李白がな、『世の中をもっと知りたい』と言ってヤクザになって、各地を歩いて行くわけだ。そこで酒もバクチも女も、色んなもんを覚えていく訳だ。そして、毎日、酒を飲んではグデングデンになりながら過ごすわけだ。
ところが、詩を書かせたら天下一品なわけよ。
60代の時、長江という川に、ある晩、船頭と2人で船を出します。しばらくして、船頭が後ろを見ると、酒を飲んでいたはずの李白がいないんだよ。「あれっ!?」
後に中国の人達は『川面に映った月があまりに美しかったから、その月を取ろうとして溺れ死んだんだ。きっと李白は月からこの世にやって来て、月へ帰って行ったんだろう。』
『天我が財を生ず、必ず要あり』 これは、李白の詩の1節です。
”天が求めたから、俺はこの時代に生まれたんだ。”
”天が私を必要としたから、私はこの時代に生きているんだ”
まさしくそうなんだ。
お前も、お前も、あなたも、みんなだぞ。天が求めたんだ。
この時代を、あなたが生きる事を天が望んだんだよ。だから、生きているんだ。余計な事は考えなくていいんだよ。
「こんな私に、一体何が出来るんだろう…?」 …何も出来ません。(笑)
天が望んだんだから。この時代、あなたが、みんなが生きる事を、ひとりたりとも欠ける事なく、生きる事を望んだんだ。
それも、たった1回の人生なんだ!!その人生を謳歌してくれ!!
お前たち、そうやって、笑ってるけどね、五百年、千年、二千年の時が流れた時、きっと後世の人間は、こう言うだろう…。
『ああ、松山千春は平成の李白だったんだ…』。(拍手)