路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【主張②・11.28】:レバノン情勢 恒久的停戦につなげたい

2024-11-30 05:01:20 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【主張②・11.28】:レバノン情勢 恒久的停戦につなげたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.28】:レバノン情勢 恒久的停戦につなげたい 

 イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘を巡り、イスラエルとレバノン両政府が停戦に合意した。米国とフランスが仲介した。

 昨年10月のイスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル急襲を受け、ハマスと連帯するヒズボラがイスラエルを攻撃し、交戦が始まった。これまでにレバノン側で3800人超が、イスラエル側も100人以上が戦闘で死亡した。イスラエル側では6万人が避難を余儀なくされた。

イスラエルのネタニヤフ首相=イスラエル政府提供(AP=共同)

 停戦合意を歓迎したい。重要なのは停戦の確実な履行だ。今回の停戦は60日間だが、これが継続し、恒久的なものになることが望ましい。米仏やヒズボラの後ろ盾であるイランなどの関係各国、国連は、履行させるよう全力を尽くしてほしい。

 米政府高官によると、停戦合意を受けてイスラエル軍がレバノン南部から、ヒズボラはレバノン南部を流れるリタニ川以北へと、それぞれ撤収する。

 レバノンでは、ヒズボラが国軍を上回る軍事力を持ち、政府にも強い影響力を及ぼしてきた。しかし、イスラエルとの一連の戦闘で、ヒズボラの最高指導者、ナスララ師ら幹部や戦闘員が殺害され、ヒズボラの軍事的、政治的な影響力は急速に弱まった。

 もっとも、今回の停戦が、中東全体の緊張緩和につながるかどうかは不透明である。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、ヒズボラが停戦合意を破った場合には再攻撃すると警告している。また、パレスチナ自治区ガザでのハマスとの戦闘を続けると明言し、停戦を機にイランへの対応に集中する考えを示している。ヒズボラとの連携を阻止された格好のハマスも徹底抗戦の姿勢を崩していない。

 カギを握るのがイランの動向だ。イランは経済停滞や宗教指導者への若者の反発などで混迷状態にある。そのイランが優先すべきは、ヒズボラなどへの支援ではなく、国内での政治状況の改善と、核合意再建に向けた協力を含む米欧との融和だ。それが国益にもかなうはずだ。

 この60日間に米国は、バイデン政権からトランプ政権へと移行する。バイデン政権は、トランプ氏の政権移行チームに停戦合意の骨格を伝達した。トランプ氏も、この合意が「成果」となるよう取り組んでほしい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄・11.28】:未解決の17年と遺族の無念、加古川女児殺害で容疑者逮捕

2024-11-30 05:01:15 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【産経抄・11.28】:未解決の17年と遺族の無念、加古川女児殺害で容疑者逮捕

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・11.28】:未解決の17年と遺族の無念、加古川女児殺害で容疑者逮捕 

 いまも未解決の世田谷一家殺害事件(平成12年12月、東京)では、8歳の女の子が犠牲になっている。葬儀では同級生が合唱で送ってくれた。遺族は感謝を伝えるつもりで学校を訪ねたが、口をついて出たのは謝罪の言葉だった。

兵庫県警加古川署に移送された勝田州彦容疑者=27日午前11時22分、同県加古川市(恵守乾撮影)

 ▼凄惨(せいさん)な事件の恐怖や、世間の視線にさらされる不安に、ほかの子供たちを巻き込んでしまった―。「まずお詫(わ)びをしなくては」と(『悲しみを生きる力に』岩波ジュニア新書)。大切な人を奪われながら、遺族が抱いてしまう罪の意識をサバイバーズ・ギルトと呼ぶそうである。

 ▼「なぜ救えなかったか」「自分が代わってやれたら」。遺族が囚(とら)われる自責の念はさまざまらしい。未解決の事件では、刑を免れてどこかで生き続ける犯人への怒りも渦巻き、さらに遺族を苦しめるのだという。二重三重の理不尽な責め苦だろう。

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】  2024年11月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・11.30】:サイバー防御 攻撃の兆候を素早く把握せよ

2024-11-30 05:00:55 | 【国家安全保障、国家防衛戦略・敵基地攻撃能力・サイバー攻撃・アメリカの戦略文書】

【社説①・11.30】:サイバー防御 攻撃の兆候を素早く把握せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.30】:サイバー防御 攻撃の兆候を素早く把握せよ

 政府機関や重要な社会インフラへのサイバー攻撃が相次いでいる。大規模な被害を防ぐには、攻撃の兆候を素早く把握することが大切だ。 

 重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ、「能動的サイバー防御」の導入を検討してきた政府の有識者会議が、提言をまとめた。

 サイバー空間を平時から国が監視し、攻撃の兆候を探知した場合、相手のシステムに侵入して無力化する必要がある、と指摘した。

 また、電力、通信、金融など15業種の「基幹インフラ事業者」には、サイバー攻撃があった場合、政府への速やかな報告を義務化することも求めた。

 日本のサイバー空間の防御能力は低いと言わざるを得ない。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は昨年来、何度もサイバー攻撃を受け、職員の個人情報が流出した。昨年は名古屋港のシステムがサイバー攻撃で機能停止に陥った。

 日本はこれまで、専守防衛の原則に基づき、サイバー攻撃を受けてからの対処にとどまってきた。だが、脅威の増大を踏まえれば、攻撃の兆候を早期に把握し、防御措置をとらなければならない。

 その実現のためには、国が事業者から通信情報を受け取る必要がある。ただ、現在は憲法が定める「通信の秘密」に基づき、事業者は原則、情報を提供できない。

 この点について、有識者会議は「通信の秘密は、公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける」と提言に明記した。プライバシー侵害への懸念を 払拭 ふっしょく するため、制度全体の運用を監督する第三者機関の設置も提案した。

 サイバー空間の脅威を取り除くのは国の責務だ。その責務に関する具体的な措置について、幅広い理解を得るには、第三者機関を独立性の高い組織としたい。

 制度設計だけでなく、実際に運用する体制が重要となるが、政府内の調整には不安が残る。

 提言は、防御を担うのは「まずは警察」とし、「必要がある場合に自衛隊が加わる」と記した。

 近年、サイバー犯罪やインフラ攻撃への備えを強化している警察当局は、サイバー対策全体を仕切ろうとしているようだが、縄張り争いになっては困る。

 サイバー攻撃は、最初の段階では国内を狙った犯罪なのか、軍事的な脅威につながる可能性があるのか、不明だ。同盟国や友好国との情報交換が欠かせない。

 防衛省はもとより、外務省や法務省を含め、政府全体で脅威に対処する体制を築くべきだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.30】:所信表明演説 目指す国家像が判然としない

2024-11-30 05:00:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説②・11.30】:所信表明演説 目指す国家像が判然としない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.30】:所信表明演説 目指す国家像が判然としない

 石破首相が目指す国家像とは何なのか、判然としない演説だった。 

 岸田前政権の経済政策を踏襲すると述べていることもあって、演説は政策の発信より、政治姿勢の説明に重きを置いたものとなった。

 首相は衆参両院の本会議での所信表明演説の冒頭、「率直に意見をかわす慣行を作り、相互に協力を惜しまず」と述べた。1957年の石橋湛山内閣の施政方針演説の一節を引用したものだ。

 そのうえで、「他党にも丁寧に意見を聞き、幅広い合意形成が図られるよう 真摯 しんし に謙虚に取り組んでいく」とも語った。

 首相は、湛山が論じた民主主義のありように言及したが、他党の意見に耳を傾けるのは当然だ。必要なのは、政府が目指す理念や基本政策を説明し、それについて協力するかしないか、議論を戦わせることではないか。

 首相は重要政策課題として、外交・安全保障、日本の活力回復、治安・防災の三つを掲げた。

 外交で、日韓首脳会談を頻繁に行う意向を示したのは良いとしても、国際社会は、尹錫悦大統領のような日本に好意的な姿勢の首脳ばかりではない。

 2国間の取引を重視する米国のトランプ次期大統領から、一層の防衛負担を求められたらどう対処するのか。中国の習近平国家主席には、日本の主権を侵害しないようクギを刺すと同時に、互恵関係の重要性を説く必要がある。

 政権基盤が 脆弱 ぜいじゃく で、延命に必死な首相が、硬軟織り交ぜた首脳外交をこなせるのだろうか。

 首相は、封印しているはずのアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関する検討会を自民党内に発足させた。アジアの実情を無視し、実現可能性も乏しい構想をなお推進するつもりなのかと、海外の疑念を招きかねない。

 与党は国民民主党との政策協議で、所得税がかかる年収の最低ライン「103万円の壁」を引き上げることで合意している。引き上げ幅や税収減に伴う財源の確保策は固まっていない。

 それでも首相が演説で「壁」の引き上げを打ち出したのは、今年度補正予算案への国民民主党の協力を確実にしたいためだろう。

 与野党伯仲の国会は、与党が「数の力」で押し切ることができないことから、建設的な議論につながると期待する声がある。

 だが、少数与党が政権維持のため、財源の裏付けのない無責任な野党の主張を丸 呑  みするだけとなれば、弊害の方が大きい。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・11.29】:臨時国会開幕 選挙の公平どう保つか論じよ

2024-11-30 05:00:45 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・11.29】:臨時国会開幕 選挙の公平どう保つか論じよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.29】:臨時国会開幕 選挙の公平どう保つか論じよ

 臨時国会が開幕した。山積する政策課題への対処や、政治資金の透明化の議論はもちろん重要だが、緊急を要するテーマはほかにもある。 

 国政、地方を問わず目立ち始めた選挙を巡る 歪 ひず みだ。真偽が不確かな情報もあるSNSが大きな影響力を持つようになった。自らの当選を目指さない立候補といった想定外の事態も起きている。

 民主主義の根幹である選挙への信頼が揺らげば、国権の最高機関である国会の権威も失墜しかねない。与野党は、選挙の公平性や、SNSの活用のあり方について議論を深めるべきだ。

 先の兵庫県知事選では、政治団体・NHKから国民を守る党の立花孝志党首が「知事になるつもりはない」と公言して出馬した。

 立花氏は、出直し選に臨んでいた斎藤元彦知事の街頭演説の前後に同じ場所で演説を行い、斎藤氏を擁護する主張を展開した。

 公職選挙法は、選挙活動の妨害を禁じている。だが、他候補を支援するための立候補を制限する条文はない。立花氏の出馬は、現行法の盲点を突いたともいえる。

 一方で公選法は、1人の候補者が使える選挙カーの台数やポスターの枚数を制限している。

 知事選で敗れた陣営は、立花氏の「応援」で斎藤氏の運動量は事実上、2倍になったと批判している。立花氏は自主的に活動したというが、斎藤氏の返り咲きを後押しした可能性は否定できない。

 また、SNS上では「斎藤氏によるパワハラはなかった」といった投稿が相次いだが、斎藤氏自身は机を 叩 たた くといった行為は認めており、反省の弁も述べている。

 SNSでは、一部の人の主張が真偽を問われることなく、まるで多数の意見であるかのように拡散することが珍しくない。

 街頭演説などの動画を配信して再生数を稼ぎ、広告収入を得ようとする人もいる。実際、兵庫県知事選では立花氏らの演説を利用して収益を得た例があるという。

 公正であるべき選挙を 貶 おとし めるような事例も無視できない。

 7月の東京都知事選では、NHK党が選挙の掲示板にポスターを貼る権利を事実上、販売した。その結果、風俗店の広告など選挙と無関係なポスターが氾濫した。

 与野党は9月、掲示板の営利目的での利用を禁じる改革案をまとめたが、衆院解散によって法改正は先送りされた。

 来年には東京都議選や参院選が予定されている。現状を放置したら混乱は広がる一方となろう。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

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【社説②・11.29】:5歳児の健診 発達障害の支援に生かしたい

2024-11-30 05:00:40 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【社説②・11.29】:5歳児の健診 発達障害の支援に生かしたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.29】:5歳児の健診 発達障害の支援に生かしたい

 乳幼児を対象にした健康診断は、子どもたちを心身ともに健やかに育むうえで大切だ。少子化が進むいま、その体制を一層充実させたい。 

 子どもの健診は現在、1歳半と3歳での実施が法律で市町村に義務づけられている。このほか小学校入学前にも、全員を対象にした就学時健診が行われている。

 こども家庭庁はこれに加えて、「5歳児健診」の普及を目指して、実施する自治体への補助金を手厚くする方針を打ち出した。発達障害の早い段階での発見と支援につなげる狙いがある。

 発達障害は、脳の機能に原因があるとされ、人との交流が苦手な「自閉スペクトラム症」や、注意力が続かない「注意欠如・多動症」などが該当する。

 3歳では幼すぎて、発達障害を認知しにくい。また、入学前では、学校生活を円滑に送れるようにするための準備期間が足りない。5歳の時点が適しているというのはそうした事情からだ。

 5歳児健診では、体の発育だけでなく、「こだわりが強い」「 癇癪 かんしゃく を起こしやすい」といった情緒や行動の傾向を診る。発達障害が早くわかれば、日常生活や学校で、その子の特性に配慮した教育やサポートができるはずだ。

 例えば相手の意向をくむのが苦手なら、教員らは指示を具体的にすることが重要になる。

 発達障害の子どもを放置すると、協調性や落ち着きのなさから集団行動になじめず、不登校につながりかねない。早期の支援は、不登校を防ぐための有効な対策になるのではないか。

 5歳児健診を独自に行っている自治体もあり、実際に効果が上がっているという。

 大分県竹田市では、発達障害に詳しい保健師らが保護者の相談に乗り、保育園や学校とも情報を共有して支援している。その結果、発達障害の傾向がある多くの子どもが通常学級に通うことができた。不登校も減少したという。

 ただ、5歳児健診を導入しているのは、全国で14%の自治体にすぎない。財政難や小児科医の不足が理由だとされる。

 5歳児健診が広く普及している鳥取県では、担当する医師やスタッフが足りない自治体は、子ども全員を対象にするのではなく、心配な行動が見られる子に絞って行う工夫をしている。

 各自治体はこうした先行事例を参考にしてほしい。国は、健診や発達障害の子どもを支援できる人材の育成を後押しすべきだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

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【社説①・11.28】:ヒズボラ停戦 ガザの紛争終結につながるか

2024-11-30 05:00:35 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①・11.28】:ヒズボラ停戦 ガザの紛争終結につながるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.28】:ヒズボラ停戦 ガザの紛争終結につながるか

 暴力の停止で合意したことは歓迎するが、中東全体に平和と安定をもたらすには程遠い。 

 今回の合意を契機に緊張緩和を関係国に広げ、パレスチナ自治区ガザの戦乱終結につなげられるかが焦点だ。

 イスラエルと、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラが停戦を受け入れた。米仏が仲介したとされる。

 イスラエルはレバノン南部から軍を段階的に撤退させる。ヒズボラは、イスラエルとの国境から約30キロ北まで後退する。レバノン軍が国境付近に展開し、ヒズボラの重火器を撤去する。これらを60日以内に完了させるという。

 イスラエルは、9月にベイルートを空爆してヒズボラの最高指導者を殺害した。軍事力も弱体化させたことで、当面の脅威は除去できたと判断したのだろう。ヒズボラには、態勢を立て直す時間が必要だったようだ。

 イスラエルとヒズボラの戦闘は昨年10月、ガザのイスラム主義組織ハマスがイスラエルを越境攻撃したことがきっかけで始まった。ハマスとの連帯を表明しているヒズボラは、ロケット弾などでイスラエルを攻撃した。

 これに対しイスラエルは、18年ぶりにレバノン南部へ侵攻し、地上作戦に踏み切った。レバノンの死者はこの1年あまりで3800人を超えた。

 停戦は実現したものの、イスラエル、ヒズボラともに敵意を弱めたわけではない。

 停戦が着実に履行されるよう、国連は現地で監視活動を行っている国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の体制を強化すべきだ。米仏両国は、暫定軍の支援にあたってもらいたい。

 今回の合意が重要な一歩であるのは間違いないが、ガザでは依然、戦乱が続いている。住民は食料の入手が困難で、一部地区では 飢饉 ききん の広がりが懸念されている。

 それでもイスラエルのネタニヤフ首相は、攻撃をやめるつもりはないようだ。ガザ住民を長期にわたって窮地に追い込むネタニヤフ氏の横暴ぶりは目に余る。

 ネタニヤフ氏は今回の停戦の狙いについて、イランの脅威に集中するためだ、と述べている。

 イスラエルとイランは互いの領土をミサイルで攻撃し合うなど一触即発の危機にある。両国は、強く自制を働かせるべきだ。

 中東情勢を巡り、日本が何ら外交力を発揮できていないのは残念だ。少数与党内閣であることが、何もしない口実にはならない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

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【社説②・11.28】:アマゾン通販 不当な値下げ要求は許されぬ

2024-11-30 05:00:30 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説②・11.28】:アマゾン通販 不当な値下げ要求は許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.28】:アマゾン通販 不当な値下げ要求は許されぬ

 世界的な巨大IT企業が、取引先に不当な価格の引き下げを要求していたとすれば許されない。公正取引委員会は、調査を尽くし、厳正に対処してもらいたい。 

 公取委は、インターネット通販大手「アマゾンジャパン」に対して、独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を実施した。

 アマゾンは、自社の通販サイト「マーケットプレイス」に商品を出品した事業者に対して、販売価格の引き下げなどを強要していたという。アマゾンが運営する物流サービスを利用するように強いていた疑いも持たれている。

 独禁法は、優位な立場にある企業が、取引先に対して不利益を与える行為を「優越的地位の乱用」として禁じている。不当な値下げ要求や支払いの遅延、協賛金の負担といった行為が問題になる。

 アマゾンは2016年と18年にも独禁法違反の容疑で立ち入り検査を受け、今回で3回目となる。何度も法令軽視を繰り返すような姿勢は看過できない。公取委は、出品者からも広く情報を集めて、実態の解明を進めてほしい。

 アマゾンの通販サイトには、企業や個人が、日用品や衣料品、食品など様々な商品を出品できる。サイト利用者がスマートフォンなどで買いたいモノを検索すると、画面に「お薦め商品」が一つだけ大きく表示される仕組みだ。

 アマゾンは、競合する他のサイトよりも価格を安くするように要求し、出品者が拒んだ場合、このお薦め商品から除外したとみられている。出品者にとっては、利用者の閲覧が少なくなって、販売量が激減しかねず、死活問題だ。

 出品者には中小企業や個人事業主が多く、アマゾンが取引条件の話し合いに応じないとの不満が強い。適正な利益を確保できない取引を一方的に押しつけていたならば、独禁法の違反は明白だ。

 アマゾンの通販サイトは国内で高いシェア(市場占有率)を占め、圧倒的に強い立場にある。出品者は他のサイトに乗り換えることが難しく、要求に従わざるを得ない状態だったのではないか。

 消費者向けの国内ネット取引市場の規模は、23年に約25兆円に達している。健全な市場として発展させていく重要性は高い。

 米欧でも同じ問題は起きている。公取委は、親会社の米アマゾン・ドット・コムにも、調査に必要な情報を提出させる「報告命令」を行う方針だという。海外当局との情報交換を進め、監視を強化していかねばならない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【石破首相の所信表明演説】:全文

2024-11-30 05:00:25 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【石破首相の所信表明演説】:全文

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【石破首相の所信表明演説】:全文

(1)政権運営の基本方針

  (民主主義のあるべき姿) 

 「国政の大本について、常時率直に意見をかわす慣行を作り、おのおのの立場を明らかにしつつ、力を合わせるべきことについては相互に協力を惜しまず、世界の進運に 伍  していくようにしなければならない」

 これは、1957年2月の石橋湛山内閣施政方針演説の一節です。

 この言葉に示されているとおり、民主主義のあるべき姿とは、多様な国民の声を反映した各党派が、 真摯 しんし に政策を協議し、よりよい成案を得ることだと考えます。

 先般の選挙で示された国民の皆様の声を踏まえ、比較第1党として、自民党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に、そして謙虚に、国民の皆様の安心と安全を守るべく、取り組んでまいります。

(2)三つの重要政策課題への対応

 全ての国民の幸せを実現するため、三つの重要政策課題への対応を進めます。

 <1>首脳外交を経た今後の外交・安全保障政策

(基本的考え方)

 まず第一は、外交・安全保障上の課題への対応です。国際秩序に大きな挑戦がもたらされています。ロシアによるウクライナ侵略は今も続き、北朝鮮の兵士がウクライナに対する戦闘に参加しています。中東地域で続く報復の応酬は 未 いま だに終わりが見えません。

 我が国周辺に目を転じれば、今年後半だけを見ても、中国、ロシアの軍用機が我が国領空を相次いで侵犯したほか、中国空母が我が国領海に近接する海域を航行しました。戦闘機を含む中国空母2隻の艦載機は約1200回に及ぶ発着艦を太平洋で行いました。ロシアの哨戒機は我が国を周回する飛行を行いました。北朝鮮は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)級を含め、近年かつてない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。

 こうした厳しく複雑な国際社会においても、国家のかじ取りを行うにあたっての基本は変わりません。すなわち、我が国としての、そして同盟に基づく抑止力・対処力を維持・強化しつつ、各国との対話を重ね、我が国にとって望ましい安全保障環境を作り出すことです。これにより、分断と対立を乗り越え、法の支配に基づく国際秩序を断固として堅持してまいります。

(首脳会談の成果)

 私は、先般、ペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、ブラジルでのG20(主要20か国・地域首脳会議)に出席し、自由貿易体制の維持・強化、飢餓・貧困の撲滅といった国際社会の諸課題につき、我が国の理念、施策を発信するとともに、各国首脳との間で個別に意見交換を行いました。

 アメリカ合衆国のバイデン大統領とは、今後も、揺るぎない日米同盟を更に発展させていくことで一致しました。

 合衆国では、来年1月には第2期トランプ政権が発足します。日米安保体制は、我が国の外交・安全保障政策の基軸です。しかし、同時に、合衆国も、在日米軍施設・区域の存在から、戦略上大きな利益を得ています。

 当然のことながら、合衆国には合衆国の国益があり、我が国には我が国の国益があります。だからこそ、率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高めあうことで、自由で開かれたインド太平洋の実現に資することができると考えます。トランプ次期大統領とも率直に議論を行い、同盟を更なる高みに引き上げていきたいと考えております。

 韓国の 尹錫悦 ユンソンニョル 大統領とも、来年、国交正常化60周年を迎える中、首脳会談も頻繁に行い、日韓関係を大いに飛躍させる年にしよう、ということで一致しました。日米韓3か国の首脳会談も行いました。

 中国の 習近平 シージンピン 国家主席とも、かみ合った議論を行うことができたと感じています。日中間には様々な懸案、意見の相違があります。首脳会談の際、私からは、中国軍の活動の活発化や深圳での児童殺害事件など、我が国の有する懸念について率直に提起をいたしました。また、日本産水産物の輸入解禁の早期実現、日本産牛肉の輸入再開、精米の輸入拡大も求めました。私が指摘した短期滞在の日本人への査証免除再開については、既に中国側から30日に開始するとの発表がありました。

 このように、諸課題について、主張すべきことは主張する。しかし、その上で、協力できる分野では協力していく。それが私の考える国益に基づく現実的外交です。中国の安定的発展が地域全体の利益となるよう、習主席とも確認した、「戦略的互恵関係」の包括的推進、「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向性に基づき、今後も首脳間を含むあらゆるレベルで中国との意思疎通を図ってまいります。

 日露関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持します。

(防衛力の抜本的強化)

 外交と防衛は車の両輪です。

 私は、厳しい安全保障上の現実を直視し、国家安全保障戦略等に基づき、我が国の防衛力の抜本的強化を着実に進めるとともに、同盟国・同志国との連携を更に深めることで、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜きます。

 防衛力の最大の基盤である自衛官の充足が約90%にとどまっていることは、極めて深刻な課題と認識しています。自衛隊の人的基盤の強化に向け、私を議長とする関係閣僚会議を既に3回開催し、議論を重ねています。隊員の生活・勤務環境の改善等、早急に実現可能な方策は経済対策に盛り込み、併せて、若くして定年退職を迎える自衛官の新たな生涯設計を確立し、退職後も社会で活躍するための施策の方向性についても、年内に結論を得て、可能なものから2025年度予算に盛り込みます。

 沖縄県を含む基地負担の軽減に取り組みます。普天間飛行場の一日も早い返還を実現するため、辺野古移設が唯一の解決策であるとの方針に基づき、着実に工事を進めてまいります。沖縄振興の経済効果を十分に域内に波及させ、それを実感していただけるよう、沖縄経済の強化に向けて支援を継続します。

 加えて、在日米軍施設・区域の自衛隊による共同使用を進めるとともに、駐留に伴う諸問題の解決にも取り組みます。

 サイバー攻撃の脅威は差し迫った課題であり、有識者会議の提言も踏まえ、サイバー安全保障分野での対応能力を向上させるための法案を、可能な限り早期に国会に提出するべく、検討を更に加速します。

(拉致問題)

 拉致問題は、単なる誘拐事件であるにとどまらず、その本質は国家主権の侵害です。拉致被害者やそのご家族がご高齢となる中で、時間的制約のある、ひとときもゆるがせにできない人道問題であり、政権の最重要課題です。国家としての、また、私自身の断固たる決意の下、その解決に取り組んでまいります。先に述べました日米、日韓の首脳会談においても、引き続きの連携を確認いたしました。

<2>日本全体の活力を取り戻す

(基本的考え方)

 重要政策課題の第二は、日本全体の活力を取り戻すことです。人口減少によって、地域の活力、そして経済の活力が低下しています。こうした状況は、我が国の経済・社会システムの持続可能性への不安を生み出し、更なる人口減少につながりかねません。

 この流れを反転させるため、地域の活力を取り戻す地方創生の再起動、経済の活力を取り戻す「賃上げと投資が 牽引 けんいん する成長型経済」への移行、全世代型社会保障の構築、この三つの取り組みを強力に進めてまいります。

(地方創生2・0)

 地方創生は、日本の活力を取り戻す経済政策であり、そして多様性の時代の国民の、多様な幸せを実現するための社会政策です。元気な地方から元気な日本を作る試みは、多くの点となって息づいていますが、未だ全国的な広がりには欠けています。これを集めて面にして、やがては日本中の皆様に、「面白い」、「楽しい」という思いを広げていかなければなりません。

 ・宮崎県小林市では、フランス語かと思わせるような地元の方言を使うなど、ユニークな我が「まち」紹介動画を作成し、話題となりました。これは、市の職員が学生とともにアイデアを出したものでした。 故郷 ふるさと を離れてしまう前に、故郷に誇りを持ってほしい、そして故郷のために活躍してほしいとの当時の市長の願いからでした。

 ・鹿児島県伊仙町では、町長が集落を回り、町の財政状況を丁寧に説明した結果、高齢者から、子供たちのためにもっとお金を使ってほしいとの意見がでました。出産や子育て環境を充実させ、2003年から2012年までの間、合計特殊出生率日本一となる、「2・42」、「2・81」を実現しました。

 これらを決して、一つの「まち」の物語にとどめてはなりません。日本中の同じ課題を抱えている皆様と、これまでの地方創生の成功事例から学び、「産官学金労言」で英知を集め、我が「まち」を輝かせるため、共に取り組んでいく所存です。デジタル技術の活用や、地方の課題を起点とする規制・制度改革を大胆に進めていきます。

 「地方創生2・0」を起動し、我が国の社会や経済の起爆剤とするため、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増します。新しいICT(情報通信技術)もフル活用しながら、持てるポテンシャル(潜在能力)がまだまだ眠っている地方の農林水産業、製造業、サービス業の高付加価値化を進めるとともに、新たな重点として文化芸術・スポーツの振興にも取り組みます。来年4月に開幕する大阪・関西万博の機会も最大限に活用します。

 この夏、店頭から米が一時消えたことは記憶に新しいところです。人口減少下においても、農林水産業・食品産業の生産基盤を強化し、安定的な輸入と備蓄を確保することなどを通じて、食料安全保障を確保します。農林水産業に携わる方々が安心して再生産でき、食料システム全体が持続的に発展し、活力ある農山漁村を後世へ引き継げるよう、施策を充実・強化します。

 地方の取り組みが花開くためには、国としての環境整備も必要です。GX(グリーントランスフォーメーション)の例では、洋上風力、地熱や原子力などの脱炭素電源を目指して、工場やデータセンターの進出が進み、教育機関との連携などによって、新たな地域の活力に 繋 つな がる動きが始まりつつあります。投資の予見可能性を高めるため、温室効果ガスの排出削減を求めつつ、国として20兆円規模の先行投資支援を行い、官民で150兆円を超えるGX投資を実現します。GXによる産業構造や産業立地の将来像について、2040年に向けたビジョン(展望)を年内に示し、核となる拠点を広げていきます。エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画もまとめてまいります。

 「地方創生2・0」には、魅力ある働き方・職場づくりも重要です。男女間の賃金格差が地域によって異なる中、若者や女性が安心して暮らせる「働き方」とは何か。非正規雇用の方の正規化をどのように進めるか。時間に余裕を持ちながら正社員としての待遇を得る短時間正社員という働き方も大いに活用すべきです。女性の雇用における「L字カーブ」の解消、男性の育児休業の推進にも取り組み、社会の構造・意識の変化につなげてまいります。

 「人づくりこそ国づくり」。教職員の働き方改革や給与面を含む処遇改善などを通じて、公教育の再生を進めます。

(経済全体の活力)

 30年前、日本のGDP(国内総生産)は世界全体の18%を占めていましたが、直近の2023年では4%です。そして、1位だった国際競争力は、今、38位に落ちました。配当は増え、海外投資も増えた一方で、国内投資と賃金は伸び悩んできました。デフレ経済の中、雇用は安定してきたが、給料は上がらない、安い商品はあるが、革新的な商品・サービスはあまり生まれてこない、という状況だったのではないでしょうか。しかし、ようやく約30年ぶりの高い水準の賃上げと、過去最大規模の投資が実現し、明るい兆しが現れています。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営・経済への転換を進めなければなりません。ドイツや韓国と比較すると、GDPに占める輸出の割合が低い我が国においては、経済安全保障の観点からも、付加価値の高いサプライチェーン(供給網)を国内に回帰・立地させていくことも重要です。

 先般の政労使の意見交換において、約30年ぶりの高い水準となった今年の勢いで、来年の春季労使交渉においても大幅な賃上げを行うことへの協力を、私から要請しました。また、最低賃金を引き上げていくための対応策の策定を、関係閣僚に指示しました。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)を切り口として、日本の潜在的な強みであるAI(人工知能)、量子、バイオ、宇宙、フュージョン、GX等の戦略分野のイノベーションとスタートアップの支援、スキル向上などの人への投資を進めてまいります。

 今こそ、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」を実現し、我が国を、世界をリードするイノベーションが常に生み出される豊かな国としてまいります。

(社会保障等)

 これらの取り組みとあわせて、子育て支援を強力に推進するとともに、国民の皆様に安心していただける社会保障制度を構築します。本格的な人口減少の中にあっても、現役世代の負担を軽減し、意欲のある高齢者を始め女性、障害者などの就労を促進し、誰もが年齢にかかわらず能力や個性を生かして支え合う、全世代型の社会保障を構築していきます。今月、関係大臣には「改革工程」に掲げられた事項の具体化を指示しました。丁寧な議論を行って、実現できる項目から着実に実施してまいります。

 来月2日には健康保険証の新規発行が終了します。(マイナンバーカードと一体化した)マイナ保険証の利用を促進しつつ、お持ちでない方には資格確認書を速やかにお届けすることで、これまでどおり診療が受けられるようにしています。国民の皆様の不安には迅速に応え、丁寧に対応するというのが私の考えです。

 「経済あっての財政」との考え方の下、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に 強靱 きょうじん な経済・財政を作っていきます。

<3>治安・防災

(基本的考え方)

 重要政策課題の第三は、治安・防災への更なる対応です。国民お一人お一人に、生き生きと、充実した日々を送っていただくための基盤となるのは、安心・安全な社会です。

(「防災庁」・防災対策)

 地理的な条件が不利であり、財政的にも厳しい地域で災害が発生したとしても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということは、国家としてあるべき姿ではありません。避難所での生活環境を改善し、災害関連死を防ぐためにも、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準を、発災後早急に、全ての避難所で満たすことができるよう、事前防災を進めてまいります。また、避難所となる全国の学校体育館の空調整備のペースを2倍に加速します。

 能登半島地震・豪雨での教訓も踏まえ、キッチンカー、トレーラーハウス、トイレカーなどの迅速な派遣のための官民連携による登録制度の創設、温かい食事の迅速な提供などを可能とするための資機材・物資の分散備蓄、災害ボランティアとして活動する支援団体の事前登録制度の創設など、避難者の皆様の生活環境の向上のため、最大限の対応をしてまいります。被災者が災害関連の各種申請を容易に行うことができるよう、更なる改善に取り組みます。

 被災地では、自身も被災者でもある自治体職員の負担を軽減しつつ、災害対応に万全を期する必要があります。他の自治体に派遣する職員に対する訓練や、職員派遣による経験の蓄積を促進するとともに、特に大規模な災害については、あらかじめ支援自治体を定めるなどの準備も進めてまいります。

 政府における体制も着実に強化します。内閣府防災担当の機能を予算・人員の両面において抜本的に強化することに加え、被災者の方々の声を必ず施策に反映させるとの強い思いから、11月1日に立ち上げた「防災庁設置準備室」において、2026年度中の防災庁の設置に向け着実に準備を進めてまいります。

(東日本大震災からの復興)

 「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」

 全閣僚が、こうした決意の下、被災者の生活や産業・ 生業 なりわい の再建、福島イノベーション・コースト構想の推進に、全力で取り組んでまいります。

(治安対策)

 最近、いわゆる「闇バイト」による強盗・詐欺の報道を見ない日はありません。他者への慈しみや堅実な努力といった、日本社会の中で大切にされてきた価値観・道徳観を揺るがしかねないものであり、こうした犯罪を断じて許してはなりません。

 悪質な事件の主体となっている、いわゆる匿名・流動型犯罪グループの検挙を徹底するための取り組みを一層推進してまいります。学校での啓発活動、若者に向けたSNSによる情報発信等を強化するとともに、「闇バイト」を募集する情報のインターネット上からの削除にも一層努めてまいります。防犯カメラ等の整備、青パトによる活動などを国としても支援し、町ぐるみの防犯対策を更に促進してまいります。また、性暴力、DV(家庭内暴力)、虐待等を防ぎ、被害者支援を推進します。

(3)経済対策・補正予算

 国民の皆様の暮らしが豊かになったと感じていただくためには、現在や将来の賃金・所得が増えていくことが必要です。そのことを最重要課題として、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を策定しました。

 第一に、日本経済・地方経済の成長です。

 家計を温めるためにも物価上昇を上回る賃金上昇を実現していく必要があります。まず、最低賃金の引き上げに取り組むほか、中小企業をはじめとした事業者の皆様方が確かに 儲 もう かり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけるよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めるとともに、省力化・デジタル化投資の促進や、経営基盤の強化・成長のための支援を充実します。

 地方の皆様方が希望と幸せを感じていただくことも重要です。地方創生の「基本的な考え方」を年末までにとりまとめますが、地域活性化とあわせて、この国の在り方、文化、教育、社会を変革する大きなムーブメントを作り出していくため、いち早く地方の皆様方が動き出せるよう、地方創生の交付金を倍増しつつ、前倒しで措置します。

 将来も継続的に所得が増加する手立てを講じておくことも必要です。資産運用立国及び投資立国を実現します。今後2030年度までにAI・半導体分野に10兆円以上の公的支援を行い、10年間で50兆円を超える官民投資を引き出します。経済安全保障の強化や、リスキリング(学び直し)を含む人への投資も促してまいります。

 第二に、成長型経済への移行にあたり誰一人取り残されないようにすることが重要です。

 賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現までの間、賃上げの恩恵を受けにくい方々への支援が必要です。低所得者世帯の方々に対し給付金の支援を行います。地域の実情に応じて、エネルギーや食料品価格の高騰に苦しむ方々への支援、価格転嫁が困難な中小企業への支援、学校給食費への支援のほか、新たに、厳冬期の灯油支援も行えるようにします。

 家庭の電力使用量の最も大きい1月から3月の冬季の電気・ガス代を支援します。

 エネルギーコスト上昇に強い経済社会の実現のため、クリーンエネルギー自動車の購入支援や省エネ性能の高い住宅へのリフォームを支援します。

 第三に、国民の安心・安全の確保です。

 国民の皆様方が豊かさを感じられるのは、安心と安全があればこそです。

 能登地域の皆様が受けた地震・豪雨の度重なる被害からの一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速します。災害廃棄物処理の加速化、公営住宅の建設などの生活再建を進め、被災事業者の生業の再建を後押しします。防災・減災、国土強靱化を着実に推進します。シェルターの確保等により国民保護の取り組みを強化します。

 以上申し上げてきた、経済対策のとりまとめに当たっては、党派を超えて、優れた方策を取り入れるべく、最大限の工夫を行ってまいりました。いわゆる「103万円の壁」については、2025年度税制改正の中で議論し引き上げます。いわゆる暫定税率の廃止を含む「ガソリン減税」については、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得ます。これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得ます。

 政府としては、この経済対策をできるだけ早くお届けできるよう、速やかに補正予算を国会に提出いたします。そして、国会でのご審議をいただき、早期の成立を目指します。

(4)政治改革への対応

 先の選挙結果は、主権者である国民の皆様からの、政治資金問題や改革姿勢に対する 叱責 しっせき であったと受け止めております。「政治は国民のもの」との原点に立ち返り、謙虚に、真摯に、誠実に国民と向き合いながら、政治改革に取り組んでまいります。

 政党から議員に支出され、その先の具体的な使途が公開されていない政策活動費の廃止、政治資金に関する必要な監査を行う第三者機関の設置、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を進めてまいります。

 調査研究広報滞在費、いわゆる旧文書通信交通滞在費の使途公開及び残金返納に向けて、既に国会でご議論いただいているところです。

 国民の政治に対する信頼を取り戻すため、これらの様々な課題について、党派を超えて議論し、年内に、必要な法整備も含めて、結論をお示しする必要があると考えており、誠心誠意、尽力してまいります。

(5)憲法改正

 憲法改正については、私自身、これまで長らく衆院憲法審査会の委員を務め、議論に参加してまいりました。国会による発議の実現に向け、今後、衆院及び参院に設置された憲法審査会において建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します。

(6)結語

 石橋湛山内閣の施政方針演説では「常に国家の永遠の運命に思いをいたし、地方的利害や国民の一部の思惑に偏することなく、国民全体の福祉をのみ念じて国政の方向を定め、論議を尽くしていくように努めたい」とあります。

 外交においても、内政においても、国民の後押しほど大きな力はありません。国民の皆様に信頼をいただけるよう、誠心誠意取り組んでまいります。

 国民の皆様、並びに、この場に集う全国民を代表される国会議員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【臨時国会・衆院本会議・石破首相は29日の所信表明演説】  2024年11月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【総務省】:「不明」が並ぶ収支報告書、世耕氏の団体は13か所…調査や書類押収を理由に「説明責任を果たさず」

2024-11-30 05:00:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【総務省】:「不明」が並ぶ収支報告書、世耕氏の団体は13か所…調査や書類押収を理由に「説明責任を果たさず」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【総務省】:「不明」が並ぶ収支報告書、世耕氏の団体は13か所…調査や書類押収を理由に「説明責任を果たさず」

 総務省が29日公表した2023年分の政治資金収支報告書では、自民党派閥を巡る政治資金規正法違反事件を受け、旧安倍派の所属議員らの政治団体で収支などを「不明」とする記述が相次いだ。このほか、収入などの記載漏れも多く確認された。事件を受けてもなお、不明朗な会計処理が後をたたない。

 ■自民党の昨年の政活費、幹部13人に8億5050万円支出…幹事長だった茂木敏充氏に計6億円

収入や支出の総額などを「不明」と記載していた世耕弘成衆院議員の資金管理団体の収支報告書
収入や支出の総額などを「不明」と記載していた世耕弘成衆院議員の資金管理団体の収支報告書

 <収入総額 不明><前年からの繰越額 不明><支出総額 不明>――。 

 かつて自民党参院幹事長を務め、旧安倍派で「5人衆」と呼ばれる幹部だった世耕弘成衆院議員(和歌山2区)。その資金管理団体「紀成会」の収支報告書には、冒頭から「不明」の文字が並んだ。個々の項目でも「領収書を紛失した」として贈答品などの名目の支出額を不明とするなど、全体では13か所に及んでいた。

 同会は派閥から政治資金パーティー収入の一部を還流され、2022年までの5年間で計1542万円が不記載だった。22年分までの収支報告書を訂正したが、「収入や支出の一部に金額・日付不明などがあり、調査している」との理由で、収支の総額などはいずれも「不明」に。世耕氏は今年3月の参院政治倫理審査会で、「支出約60万円の領収書が見つからなかった。繰越残高が不明となり、(他項目も)玉突きで不明となってしまった」と釈明した。

 それから約8か月。世耕氏は離党勧告を受け、くら替え出馬した10月の衆院選で当選したが、収支報告書の「不明」は解消されないままだ。世耕氏は29日、取材に対し、約60万円分の領収書は見つかっていないとした上で、「だから総額を不明とせざるを得ない。それでも大半は判明している」などと答えた。

 高額の還流を受け、同法違反で起訴・在宅起訴された議員側などにも不透明な記載が目立った。不記載額が約5100万円の大野泰正参院議員や、約4800万円の池田佳隆・前衆院議員の資金管理団体は、収支の総額に加え、支出の内訳を全て「不明」と記載。いずれも「関係書類が押収されているため」としている。

 このほか、昨年NHK党から2度名称変更した「みんなでつくる党」でも、計約4500万円分の支出について、支払先や目的などを「不明」としていた。同党は昨年、計約3億3000万円の政党交付金を受けている。担当者は「昨年3月に代表者が交代した際、領収書などが引き継がれず、支出の詳細が分からなかった」としている。

                    ◇

 総務省によると、収支報告書に「不明」と記載した場合の取り扱いについては、具体的なルールが設けられていない。

 岩井奉信・日大名誉教授(政治学)は「政治資金をどこから得て、何に使ったのかを国民に示す収支報告書に『不明』と書くことはあってはならないことだ。火災による焼失などの特殊事情を除いて、『不明』との記述がまかり通れば、制度を根幹から揺るがす事態になりかねない」と批判。「『不明』を解消しない限り、説明責任を果たしたとは言えない」と指摘する。

  ◆自民党派閥を巡る事件= 派閥のパーティー収入のうち、ノルマ超過分を所属議員側に還流し、収支報告書に記載しなかったなどとして派閥の会計責任者らが政治資金規正法違反で起訴されるなどした。不記載額は旧安倍派が計約6億7500万円、旧二階派が計約2億6400万円、旧岸田派は計約3000万円で、各派の会計責任者の有罪が確定している。

 ◆麻生派からの寄付230万円、井林辰憲衆院議員が不記載 

 自民党の井林辰憲衆院議員(48)(静岡2区)が代表を務める資金管理団体「大川会」が2023年、井林氏が所属する「志公会」(麻生派)から寄付として受け取った約230万円を同年分の政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかった。井林氏側は取材に記載漏れを認め、収支報告書を訂正する意向を示した。

 麻生派の収支報告書によると、同派は大川会に対し、7月6日に230万9680円を寄付として支出していたが、大川会の収支報告書には同額の収入は記載されていなかった。井林氏の事務所は「東京と地元の事務所間の連携がうまくとれておらず、記載漏れになった」と説明した。

 ◆都内の政治団体、旧二階派パーティー券購入を記載せず

 自民党旧二階派が2023年4月26日に開催した政治資金パーティーを巡り、東京都内の政治団体がパーティー券を20万円超購入していたにもかかわらず、同派の政治資金収支報告書に団体の名称などを記載していなかったことがわかった。

 この政治団体は、泉信也・元国家公安委員長が代表を務める政治団体「篠山会」(東京都品川区)。昨年4月11日と13日、「志帥会(旧二階派)と同志の集い会費」として3回にわけて計24万円を支出したと同年分の収支報告書に記載した。一方で、旧二階派の収支報告書には、篠山会の名称などは記載されていなかった。

 政治資金規正法は、20万円超のパーティー券を購入した個人や企業、団体の名称などの記載を義務づけている。

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 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・「政治とカネ」・総務省が29日公表した2023年分の政治資金収支報告書】  2024年11月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中国】:深圳の男児刺殺で拘束中の男を殺人容疑で正式逮捕…職探し難航で不満、注目集めようと日本人を狙ったか

2024-11-30 05:00:15 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【中国】:深圳の男児刺殺で拘束中の男を殺人容疑で正式逮捕…職探し難航で不満、注目集めようと日本人を狙ったか

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 中国広東省深圳市で9月、日本人学校に登校中だった男子児童(10)が中国人の40歳代の男に刺殺された事件で、中国の警察当局が、拘束されていた容疑者の中国人の男を殺人容疑で正式に逮捕していたことが分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。今後、起訴に向けて司法手続きが進む見通しだ。

日本人学校の校門に献花する中国人女性(9月20日)
日本人学校の校門に献花する中国人女性(9月20日)

 中国側は、日本政府が説明を求める具体的な犯行動機や事件の背景を公表していない。しかし、事情を知る中国当局者に近い関係者によると、男は職探しが難航して社会に不満を持ち、注目を集めようと日本人を狙ったとの情報がある。

 事件が起きた9月18日は、満州事変の発端となった「柳条湖事件」(1931年)の発生日で、反日感情が高まりやすかったとの指摘がある。日中関係筋によれば、香港を含めて中国国内に12ある日本人学校は、旧日本軍による南京事件(1937年)から87年となる12月13日に休校かオンライン授業へと切り替えることを決めた。

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 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 国際 【アジア・中国・中国広東省深圳市で9月、日本人学校に登校中だった男子児童(10)が中国人の40歳代の男に刺殺された事件】  2024年11月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張・11.30】:石破首相所信表明 ■国民の声に真摯に応えたのか

2024-11-30 04:05:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【主張・11.30】:石破首相所信表明 ■国民の声に真摯に応えたのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.30】:石破首相所信表明 ■国民の声に真摯に応えたのか

 「民主主義のあるべき姿とは、多様な国民の声を反映した各党派が、真摯(しんし)に政策を協議し、よりよい成案を得ることだ」。石破茂首相は臨時国会での所信表明演説の冒頭、こう述べました。さらに「先般の選挙で示された国民の声を踏まえ…国民の安心と安全を守るべく、取り組んでいく」とも表明しました。

 ■通らない強権政治

 総選挙で自民・公明の与党が衆院で過半数割れの歴史的大敗を喫し、これまで国民の声や野党の反対を無視して予算や法律などを押し通してきた強権政治が通用しなくなったことを示すものです。

 石破氏がそう言うのなら、まず問われるべきは所信表明演説の中身です。

 総選挙で国民が下した審判は、何より自民党の裏金問題への怒りでした。石破氏自身も、演説の中で「先の選挙結果は、主権者である国民からの、政治資金問題や改革姿勢に対する叱責だった」と認めました。

 ところが、国民が求める裏金問題の真相究明や、金権腐敗を一掃する「政治改革」の要である企業・団体献金禁止に一切言及しなかったのは重大です。

 裏金問題への国民の怒りの根底には、物価高騰や賃金低迷などによる暮らしの困難への無為無策という自公政権の経済失政に対する不信、批判があります。

 石破氏は、経済政策に関し、「103万円の壁」について来年度の税制改定で「引き上げる」と述べました。生計費非課税の原則に立って、課税最低限を現行の103万円から、物価高騰や賃上げの水準を超えて引き上げるのは当然です。

 加えて、税制全体を改革し、最悪の生計費課税である消費税を緊急に減税し、廃止へ向かうことが必要です。これは有効な物価対策でもあり、価格転嫁が困難な中小企業や賃上げの恩恵を受けにくい人々への大きな支援になります。税の応能負担原則を徹底し、大企業、超富裕層への優遇を改めることも不可欠です。

 しかし、石破氏は、2030年度までにAI・半導体分野に10兆円以上の公的支援を行うと表明するなど大企業優遇の姿勢を示しました。次期トランプ米政権の下で「(日米)同盟をさらなる高みに引き上げ」、「防衛力の抜本的強化を着実に進める」と述べ、5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込む大軍拡を継続しようとしています。

 ■安心安全守るには

 広島、長崎の被爆者らでつくる日本被団協は総選挙のあった10月に、核兵器は絶対に使われてはならないという「核タブー」を国際社会に確立したとしてノーベル平和賞を受賞しました。それなのに、石破氏は核廃絶の問題に一言も触れませんでした。沖縄の民意を踏みにじる辺野古新基地建設や、国民の多くが存続を求める健康保険証の廃止なども改めて表明しました。

 高齢者の医療・介護の3割負担の拡大や国保料値上げなど、社会保障の公費負担を28年度までに1・1兆円も削減する「改革工程」の具体化も明言しました。

 「国民の安心と安全を守る」には、財界・大企業の利益最優先、日米軍事同盟絶対の政治のゆがみを正すことが求められます。日本共産党はそのために国会論戦でも全力を尽くします。

 元稿:しんぶん赤旗 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月30日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【きょうの潮流・11.30】:まず改むべきは政治であり、政府であるとの見地から、

2024-11-30 04:05:45 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【きょうの潮流・11.30】:まず改むべきは政治であり、政府であるとの見地から、

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【きょうの潮流・11.30】:まず改むべきは政治であり、政府であるとの見地から、

 まず改むべきは政治であり、政府であるとの見地から、政府部内を戒めるとともに、国民がはっきりと希望を持ち得る政治を行いたい―。自民党初の総裁選で首相となった石橋湛山(たんざん)の施政方針演説です

 ▼戦前、言論人として小日本主義を主張し、植民地政策や戦争に異論を唱えた湛山が自民党のトップになったことは内外に衝撃を与えたといいます。しかし病に倒れ、わずか65日で首相退任。施政方針も岸信介による代読でした

 ▼それを石破首相が所信表明演説で引用しました。「国政の大本について常時率直に意見をかわす慣行をつくり、おのおのの立場を明らかにしつつ、力を合わせるべきことについては相互に協力を惜しまず…」。各党派との真摯(しんし)な政策協議は民主主義のあるべき姿だと

 ▼少数与党の国会が始まりました。数の横暴で多くの願いや声を無視し続けてきた自公による強権政治からの転換。そして、国民の要求に応える政治へ。それこそが総選挙で示した民意です

 ▼共産党は、政治改革の要となる企業・団体献金の全面禁止、思想・信条や政党支持の自由を侵す政党助成金を廃止する法案を提出。学費値上げの中止要請をはじめ、生活や人権を守るための施策を次々と政府に求めています

 ▼石破首相が「今の日本政治に対する重要な示唆がある」とたたえる湛山は「国民とともにある明るい政治を築くようにしたい」と施政方針を締めくくりました。それをどう実現していくのか。民意に背を向けた所信表明からは見えてきません。

 元稿:しんぶん赤旗 主要ニュース 社説・解説・コラム 【きょうの潮流】  2024年11月30日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張・11.29】:神宮外苑再開発 ■小池知事は計画の中止を迫れ

2024-11-30 04:05:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【主張・11.29】:神宮外苑再開発 ■小池知事は計画の中止を迫れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.29】:神宮外苑再開発 ■小池知事は計画の中止を迫れ 

 東京・神宮外苑の再開発に伴う高木の伐採が始まって28日で1カ月たちました。7割の都民の反対(6月、「毎日」調査)を押し切っての伐採強行に悲しみと怒りが広がっています。

 都は昨年9月、世論に押され三井不動産ら事業者に樹木の保全策を要請しました。しかし今年9月に事業者が示した回答は、高層ビル建設と大規模施設建て替えのために貴重な樹木や環境を犠牲にするという根本問題を何ら解決するものではありませんでした。

 ■樹木の伐採やめよ

 新ラグビー場建設で貴重な樹林地が破壊されることは明らかで、移植される樹木も移植先の樹木と競合しともにダメージを受けると専門家は指摘します。

 小池百合子知事の責任で都の環境影響評価条例に定められた環境アセスメントの再実施が必要でした。しかし、知事はこれを無視して樹木伐採を容認しました。今からでも、再アセスをすべきです。

 また、2年前から日本イコモス国内委員会がくりかえし指摘してきた、樹齢100年を超える長さ300メートルの4列のイチョウ並木の衰退について、これまで環境影響評価書にはまったく反映されてきませんでした。しかし今回、事後調査報告書で初めて衰退を認めました。

 都の環境影響評価条例には外部の専門家が異議を申し立てる仕組みがなく、是正の手続きがありません。直ちに条例を改正し、市民と専門家の良識を反映させる必要があります。

 秩父宮ラグビー場に向かう18本のイチョウ並木は、新球場建設に伴う「伐採」から「移植検討」に変更されましたが、移植は極めて困難で、伐採されない保証はありません。それにもかかわらず工事を進め、既成事実化することは認められません。

 ■知事は癒着を断て

 神宮外苑再開発は萩生田光一氏や森喜朗氏ら自民党の有力者と都の幹部が密談で始めたもので、再開発の検討の初期から三井不動産が深くかかわってきたことを日本共産党都議団は以前から指摘してきました。

 また、4月にNHKが報じた資料をもとに独自調査と議会での論戦を行い、都と事業者の正式な覚書発表の2年前の2013年に▽三井不動産らが「公園まちづくり制度」を使って、本来、高いビルを建てられない都市計画公園区域から当該地域を外し高層ビル建設の計画を立てていた▽都が再開発等促進区を都市計画決定し、お膳立てした―と明らかにしました。都はこれまで、自民党有力者との密談や三井不動産への異常な肩入れについて一度も都民に説明していません。

 さらに、21日の決算特別委員会での日本共産党の大山とも子都議団長の質問に対し、小池知事は三井不動産にパーティー券を買ってもらっていることを否定できませんでした。三井不動産も9月の住民説明会で、小池知事や萩生田氏のパーティー券購入を否定しませんでした。こうした疑惑を放置したまま計画を進めることは許されません。

 小池知事は三井不動産との癒着ともいうべき関係を直ちに断ち切り、厳しい態度で計画の中止を迫るべきです。小池知事の責任が厳しく問われています。

 元稿:しんぶん赤旗 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月29日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【きょうの潮流・11.29】:学生街としても知られる福岡市・西新(にしじん)。

2024-11-30 04:05:35 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【きょうの潮流・11.29】:学生街としても知られる福岡市・西新(にしじん)。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【きょうの潮流・11.29】:学生街としても知られる福岡市・西新(にしじん)。

 学生街としても知られる福岡市・西新(にしじん)。駅から程近い西南学院大の館内には貴重な歴史遺産が展示されています。鎌倉時代、蒙古(もうこ)襲来に備えた元寇(げんこう)防塁です

 ▼1号館の新築にあたって出土した東西20メートルの土塁の一部を復元しました。当時、西の今津から東の香椎(かしい)浜まで、およそ20キロにわたって築かれたという元寇防塁。ほぼ中間にあたる西新にはその遺構が国の史跡として保存されています

 ▼時は8代目執権、北条時宗の政務が始動した頃。世上が乱れるなかで元軍来たるの報は国を揺るがしました。九州各地の御家人が海岸線に築いた防塁は再びの襲来に備えてのものでした

 ▼今年は最初の文永の役から750年。先週末には西新で「蒙古襲来絵詞(えことば)展」が開催されるなど各地で企画展やイベントが催されています。2度目の弘安の役の際に暴風雨によって沈んだとされる元軍の船も先月、長崎・松浦市沖の調査で新たに確認されました。見つかったのは伊万里湾にある「鷹島海底遺跡」。今回で3隻目の発見です

 ▼他国による初めての本格的な侵攻は、どんな影響をもたらしたのか。史実の掘り起こしは今も続いています。その後、歴史はめぐり、今度は日本が他国を侵略する側へと

 ▼西南学院は8年前の創立百周年にあたって、アジア・太平洋戦争に加担した責任を直視し、平和宣言を表明しています。「自国本位の価値観を絶対視し、武力・暴力の行使によって人々の尊厳を抑圧するという過ちを二度と繰り返すことのないよう―」行動すると。

 元稿:しんぶん赤旗 主要ニュース 社説・解説・コラム 【きょうの潮流】  2024年11月29日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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