迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

「論より行動」。

2021-07-04 09:13:00 | 浮世見聞記
朝のラジオ放送で、觀世流の謠曲を樂しむ。「自然居士」は當時實在した半僧半俗の説法者をシテに据ゑた遊興物の能で、人身賣買で賣られさうになった少女を、人買商人の求めに應じるまま様々な遊藝を見せた末に救ひ出すと云ふ、演劇的要素の強い曲。囃子の入らない素謠ゆゑ、舞台で観るやうな遊藝味は薄くなる分、自然居士と人買商人とのコトバの應酬がより鮮明になり、特に転んでもタダでは起きない人買商人の狡猾さが際立ちなかな . . . 本文を読む
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