宙に浮く大きな風船。“テロ”監視のカメラがその下に括り付けてあるらしい。地上には厳めしげな関所が設けられ、幾人もの門番が厳めしげに往来を睨んでみせる。しかし往来はそんなものなど相手にしてゐないが如く、いつものままに通り過ぎて行く。門番どもの勝手に気負った表情が、為政者と民意の決定的な乖離を象徴してゐて、ひどく滑稽である。彼らが真剣になればなるほど、この哀しい可笑しさは味はひ深くなる。これはせっかく . . . 本文を読む
昨夜になって、浮世では今日から四連休であることを知る。なるほど、今日は“なにか”から逃げてゐると思しき人の姿をよく見る。この國難で、さういふヒトが増へたのはもっともだ。──いまや逃げ場なんて、どこにも無いのに。 . . . 本文を読む