その古い家屋の二階から零れる三味線の音色(こゑ)に、私は思はず足をとめた。二階は稽古所らしく、その陽氣な調子は民謠のやうだった。つひ身振り手振りを付けてみたくなる、私の心にスッと染み入る絃(いと)のこゑ。かつて私が浮世に居場所を再發見したのも、先人が遺してくれたこゑのおかげだった。今年も春は来る。他人(ひと)の春ではなく、自分の春を聴く。 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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