電車の優先席で、目の前に高齢者が立ってゐても悠然とスマホを見てゐて席を譲らない若年者を、ちょくちょく見かける。
が、私は今さらそのことに腹を立てる正義漢などではない。
その若年者は、『ここは「自分が優先」の席』──さう解釈してゐるのだらう、と思ふだけである。
もちろん、そんなのがそこまでアタマが回ってゐるなど、本氣で思ってはゐないが。
前にも話してゐるが、忘日に路線バス内で、固辞するにも拘はらず席を譲らうと何度も聲を掛ける若い女性に、「だからいいと云ってるでしょ!」とつひに怒りだした高齢女性に出くはしたことがある。
……なんか私も、數十年後にはそっち寄りなジジイになってゐさうな氣がする。