迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

花笑ひ湖水さざめく皐月風。

2018-05-21 21:23:03 | 浮世見聞記
数年ぶりに、箱根の大涌谷へ出掛ける。

前回は真冬、雪の降るなかであったが、今回は五月晴れの日を狙ふ。

休日明けで混雑もなく、わずかに綿帽子をのせた霊峰も、気高く美しい。



大涌谷は活発化した火山活動によってガスが多く発生してゐるため立ち入り範囲が限られ、斜面に吹き出した硫黄も増へて、



臭ひも以前より強くなってゐる気が、しなくもない。

そして、風が強い!

光輪が現れるほどの晴天ながら、



強く吹き付ける風だけが、まだ冬である。


さう、山の上は平地より半月ほど季節が遅いやうで、芦ノ湖に臨む元箱根では、まだ藤が咲ひてゐる。



空の青、湖の青、それを隔てる畔の緑──



かつては東海道五十三次の宿場や関所がおかれてゐた元箱根は、いまも自然のままに彩られ、午後のひとときを静かに佇まふ。


そんな湖畔から少し足をのばし、かつて東征の坂上田村麻呂も戦勝祈願に立ち寄った云ふ箱根神社を、初めて参拝する。



そしてお神籤を引いて、箱根権現のこゑを聞く。

今年の私の年回りを、見事に当てておりゃる。


さう、

いまは手猿楽の中身を、

もっと豊かにするべし。
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