均衡運行。

東海道新幹線に続いて、山陽新幹線におゐても、事故が発生した。

しかも、外的要因による点までが、一致してゐる。

前者は自殺志願の気違ひであり、後者につひてはまだ捜査中のやうだが、だうせシゴトに疲れただのなんだのと勝手に悲観した、そんなところではあるまいか。


後者について、報道屋は運転士の不始末ばかりを騒ぎ立てるが、そもそもの原因となったホトケの迷惑行為の方も、糾弾するべきだらう。

新幹線の線路内に立ち入るなど、こちらもやってゐることが気違ひである。


旧街道を探訪してゐると、新幹線といふ乗り物がいかに素晴らしい文明の利器であるかを実感する。

その安全と信頼を侵すことは、決して許されない。


この文明の利器を身勝手に命を絶つ手段に用ゐて、大勢の人に迷惑をかける者に、私は激しい憤りを覚える。



かうした輩に、『死者の尊厳』など無い。