陶芸工房 朝

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織部

2005年01月06日 | 日記・エッセイ・コラム
_陶芸教室のTさんの轢いた器を「織部」で仕上げよう、ということになって「絵付け」をしました。

いわゆる昔の織部には、鉄絵で描かれた典型的な図柄がいくつか描かれています。それは一見すると複雑そうなのですが、よく見ると、単純な線や点や面で、さらりと描かれています。ところが、これを真似ようとすると、それがなかなか難しく、その味が出ないのです。熟練した絵付師が、気楽に遊び心で、すいすいと描いただろう風物ほど、それがいえます。その筆運びは、実に飄逸で自由で、闊達なのです。

いろいろ検証した挙句、結局、無難な模様に落ちつくことになりましたが、名もない職人の「技」のすごさに、改めて感嘆した次第でした。
写真は、以前に製作した織部扇面皿四枚組み