「広い敷地には数棟の家が建ち、庭には牛が寝そべり、シャモが群れて羽ばたいては、ときを告げる。太いチークの柱で建てた家は、高床の妻入りで,屋根はチークの葉で葺き、上には千木がついている。妻側の入り口に梯子をかけ、床には半截にした竹をはり、壁は網代に編んである。 これこそわが出雲神社の原型ではないかと思った瞬間、弥生時代に迷い込んだような錯覚に陥った。」(銀花124号・母は陶芸家で紹介されているカンケオ村の様子)
焼き物でできている。
轆轤でおおきなつぼを挽いている。
写真を拡大してみると、仕事場の様子がよくわかるが、道具らしい道具は使っていない。だが、轆轤の腕は確かなもの。
小さなもの、多分蝋燭立てを、ベテランの男性がひいている。見ていると至極簡単そうに見える。道具にこだわる私たちと違い、あるものを使って仕事をする。仕事場はしごく素朴で面白い。
ここの窯のメインの製品。寺院等の装飾に使うのかもしれない。
地面に座って壷に赤いベンガラを塗っているおばあさん。
男性の引いた壷が生の内にベンガラを塗り、それを石でこすって磨く。おばあさんは、一日に25個くらいみがくといっていた。90歳くらいに見える。
作業場のおじさん。
バックを見ると、この仕事場がどんなふうか、よく分る。
ここが最初の窯場で、ここから露地に入っていくと、どこの家の庭でも、女たちが内職仕事で轆轤を引いている。
水牛の置物と水瓶が置いてある農家の庭先。
顔は、日本の猫と同じなのだが、何だか美しい。
地面に突き刺しただけの簡単な轆轤。独楽のような形をしている。
この轆轤を上手に手回ししながら、上手に小さな壷を挽いているお母さん。
構えは露天のようだ。
道端で子供のままごとのような花いっぱいのお惣菜を作っているおばさん。
みんなの作った焼き物を、リヤカーにつんで運ぶおじさん。
平和なカンケオ村の のどかな昼下がり。
しかし、どの家でも、男と若者は町に働きに行ってしまって留守、「もうこういう仕事は、わしらでおしまいだ」。
みんながそう言うのでした。
写真を拡大していただくと、タイの焼き物づくりのようすがよくわかります。