陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

豊山窯

2009年12月13日 | 美術館めぐり

 

  安芸の小京都といわれる竹原市にある

  「豊山窯」についてだけは記しておきたいと思います。

  (山陰の旅の続きです)

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  豊山窯は、瀬戸内海を遥かに見晴るかす小高い丘の上にある

  陶芸家「今井政之」氏の窯です。

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  今井政之氏は日本の象嵌法の第一人者で、

  世界的にも有名な日本陶芸界の重鎮のお一人です。

  象嵌とは、陶器の肌に模様を埋め込む陶芸の技法で、

  ここの展示館には、

  氏の素晴らしい作品の数々が展示されています。

  日本芸術院会員でもある今井政之氏が、

  郷里・竹原の海の見える丘に開設したのが

  「豊山窯」と茶室「松聲軒」「柳慶亭」です。

 

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 瀬戸の海を庭に見立てた、

 素晴らしいお茶室「柳慶亭・扇の間」で、

 先生の奥様からお茶を頂戴しました。

 このお茶室は1世紀も前に、

 「岡山藩主主席家老伊木三猿斎」が建てたもので、

 もともと京都にあったものを、縁あって今井氏が譲り受け、

 この地に移築されたものだそうです。

 波ひとつない蒼い海に浮かぶ緑の小島を眺めながら、

 一服のお茶を頂いていると、

 一世紀の時を隔てて、この地に居場所を見つけた

 お茶室の感慨が、伝わって来るような気がします。

 古から受けついだ「伝統」を守り抜こうとする

 「文化人」と言われる人たちの営みの一端を、

 垣間見た想いがしました。

                                    

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