陶芸工房 朝

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信州・渋温泉にて

2018年08月21日 | 旅の記録

  夏休み、久しぶりに信州旅行をしてきました。

 信州の鄙びた温泉に滞在して、信州に住む甥っ子に志賀高原から横手山界隈を案内してもらい、最後に善光寺とその近くにある姉のお墓参りをしてきたのです。

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 笑われそうですが、東京から長野までを「新幹線」でいくのは初めてでした。で、大宮の次が長野というスピードに驚き、長野駅から長野電鉄に乗り替える立派な地下道に驚き、長野から湯田中までの超特急電車の快適さに驚いたのでした。というのも、ひと時代前の私の記憶にある信州は、信越線で関東平野をえんえんと走り、軽井沢あたりの峠を超えて、さらにその先にある遠隔の地というイメージだったのです。

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  長野もすっかり都会化してしまったかと思ったのですが、湯田中駅からお迎えの車で北に15分ほど走ると、昔懐かしい木造建築の温泉場が見えてきました。横湯川沿いの道を折れて、車一台がやっと通れるほどの石畳の道を行くと、細長い温泉宿が両側に並んだ懐かしい温泉場の風景です。

 

 

    奥まった道の最後が本日の宿です。宿の露天風呂を浴びて、さて温泉場名物「厄除巡浴外湯めぐり」なるものをしてみようと出かけました。

 「巡浴祈願手拭い」と「浴場の共通鍵」とをもらっての湯巡りです。  共同の湯場 というのが9軒あって、一番湯(初湯)、二番湯(笹の湯)、三番湯(綿の湯)、四番湯(竹の湯)、五番湯(松の湯)、六番湯(目洗い湯)、七番湯(七操の湯)、八番湯(神明滝の湯)、九番湯(大湯)と、それぞれの泉質・効能が違うのだそうです。この「九つの外湯」は、共通鍵を持っている宿泊者と地元の人だけが、自由に使える仕組みになっています。(もちろん無料)

 

  

 間口二軒の長屋風 の建物、この入口の左側が女湯 、 右側が男湯です。どこの湯にも旗や暖簾がかかっていて、入口に仏像などが置いてありちょと異様な感じです。中に入るとすぐに脱衣所があり、奥に畳三畳ほどの浴槽があります。写真は第5の湯(松の湯) 

 

 

   こちらは4番湯の竹の湯です。 中の作りはいずれ同じようなものです。 外国人の女性が一人、もの珍し気に入って行きました。一見したところ、かなりおどろおどろし気にみえます。これを9箇所巡らないとご利益がないとのこと、かなりの好奇心が必要です。

  今でこそ、家に清潔な風呂があり、ひねれば熱いお湯が出るのが普通ですが、一時代昔の日本の暮らしを思えば、自然に湧き出る高温の温泉は最高のごち馳走だったのでしょう。ましてや、雪深い冬の信濃では、それががどれほどありがたかったか! 温泉湯治がどれほど老人の慰めになったか! 想像に難くありません。この温泉の開湯は1300年も前とのことですから、1300年もの間、地元の人たちがこの温泉場を守り育ててきたということです。それがこの「厄除巡浴祈願」の形になって残ったのでしょう。

 

 

 日が落ちる頃、近くのお寺からゴーンゴーンと鐘の音が聞こえてきました。

道端の提灯に灯がともり、地元主催の盆踊り会が始まります。宿泊客も浴衣に下駄ばきで、カランコロンと石畳を歩いて参加です。お店には地場のお酒やビールが並び、小さなお菓子屋では手づくりの温泉まんじゅうが並んでいます。子供たちが、将棋やカラオケやゲームを楽しんでいます。

 ふと、半世紀以上前の子供の頃に体験した田舎の夏祭りを思い出したのでした