信州に行ってきました。
といっても南信州・飯田から山沿いの道を30分ほど行ったところにある昼神温泉です。
昔一度行ったことがある温泉なのですが、当時と比べると見違えるほど立派な温泉街になっていました。
その温泉場のすぐ近くにある「花桃街道」は、赤白ピンクの桃の花が川の両岸をうめつくし、
まるで振り袖の裾模様のような豪華な美しさでした。
一時代前、伊那谷と木曽谷を結ぶ国道256号線は侘しい山村地帯でした。
何もない過疎の村を「自慢できるにしたい」と始まったのが花桃の植栽だったそうです。
それは平成の初めの頃でしたが、30年の時を経た平成最後のこの年には10000本にまでなり、
街道を埋め尽くす見事な「花街道」として、全国から人の集まる観光名所になっています。
木曽川の上流に日本初の発電所を作ったのは福沢諭吉の娘婿福沢桃介です。
桃吉は訪れたドイツのミュンヘンで三色に咲くこの花を見て驚き、3本の苗を持ち帰りました。
1992年(大正11年)のことです。それが「花桃街道」の桃の基になりました。
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一昨年、その福沢桃介の業績を訪ねる旅で木曽川を訪ねました。
その時、その桃の苗木をお土産に戴きました。それが、我が家の「はなもも」の木です。
今年二年目で、まだ1メートルほどですが三色の花をさかせました。
桃介と貞奴と愛でし花の桃
白とピンクと濃い赤桃色と、一本の木に三色の花をつける「花桃」です。
津カンナ著・水燃えて火(山師と女優の電力革命)に、その当時の木曽の事情が詳しく記されています。
ちなみに、貞奴は一世を風靡した明治時代の女優、発電所開発の時期、桃介とこの地に暮らしたのでした。