春は花の季節。花はそのままが一番美しいのですが、傲慢な人間は、その美しさを、さらに自分だけの「美」の世界に演出して楽しみたいのですね。「花」と「器」の饗宴。季節の花と器を取り合わせて、シリーズにしてご紹介してみたいと思います。
先ずは、井戸側と蕗の董です。昔は、井戸水を汲み出すための井戸が、屋敷の中にありました。井戸は、大谷石のような石で囲ってありました。それが「井戸側」です。目的は、危険を防ぐためだったのでしょうが、高じて庭の彩として、装飾にも使われました。この花活けは、その井戸側を模したものです。粘土でブロックをつくり、表面に彫りをいれて、灰釉で焼成しました。
春が近づいて、陽の光が強くなると、陽だまりの石囲いの間から、ほら、蕗の董がのぞいてる・・・・・・・。*写真はクリックすると拡大します。
筒井つつ、という業平の伊勢物語を想起します。この企画をシリーズで展開されること期待します。