もものふの八十乙女らが挹(く)みまがう寺井の上の堅香子の花
(万葉集巻19)
堅香子(カタクリ)の花が咲きました。
といっても、うちのカタクリは黄色のカタクリ、西洋カタクリというらしいのです。
数年前、花屋でカタクリの球根を買って植えたのですがなかなか咲かず、
5年ぐらいが経って、ようやく1本が花をつけました。
上記の万葉集に読まれている堅香子(カタカゴ)は、日本古来の淡紅色のカタクリです。
堅香子は、ユリ科の植物で傾いた籠のように花が下向きに咲くことから名づけられたとも言われます。
慎ましくうつむき加減に咲く花の、反り返った花びらには、春を迎えた喜びがあふれているようです。
黄色のカタクリも、その姿形は淡紅色のそれと同じく可憐です。
かたくりは耳のうしろを見せる花 川崎展宏