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バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

ストレス耐性

2014年03月01日 | プラダー・ウィリー症候群
そして話はまだ続き、ここ数日書き連ねたことで最も言いたかったことへとつながるんだけど...


ケアギバーズのシンポジウムで、IPWSOの会議に参加された方の報告があったことは 前に書いた。
プログラムは年齢階層で3つに分かれていたらしく、その方が参加したのはいちばん年長の人(17歳以上)向けのものだったそうだ。

で、話を聞いていて 私としては違和感を覚えたところがあって...。

配布された資料を元に書いてみると
PWSは「適応性欠如症候群」である。
ストレスによる感情の爆発の原因は「落胆」であり、ストレス対策として「管理された環境」が必要である。

例えば(言い回しなどは正確ではないところがあると思うけど)
PWSはスケジュールの変更が受け入れがたい。それでパニックになったりすることがある。
だから ”意外性の少ないものを、不確実な要素を減らして” となるんだよね。


でもねー、スケジュールなんて 変更があって当然だと思うんだよね。
”守れない約束はしない”ったって、状況によってはどうしたって無理 ってことあるし。

それを”変更が受け入れがたいのはPWSの特性だから(仕方ない)”みたいに言うのはどうなんだろう?
って思った。

PWSは確かにストレス耐性が低い(弱い)とは思う。それは確かにPWSの特徴かも。
でも、それも小さいころからの訓練の積み重ねである程度強化できるんじゃないか と私は考えてるんだよね。


グループで話合う時間にたまたま発表者の方が同じグループにいらしたので、その疑問を投げかけてみたら
1つは 年長者向けのプログラムだったこと。
(確かに、既に育ちあがってしまった人を変えていくのは至難の業だろう。)
もう1つは IPWSOでも2つの考え(周りがストレス要因を減らすべき or 本人のストレス耐性を上げるべき)が
あるようだ という話だった。
なるほどね。


PWSのお子さんで 予定が変更になったら癇癪起こす とか、贔屓のチームが試合に負けたら大変 とか
そういう話を耳にすることがたまにあるんだけど
バンビは ないんだよね、そういうこと。

そりゃ、楽しみにしてたことが中止なり延期になったりすると 
えー、なんでー? どーしてダメなの? ○○だったら大丈夫じゃない? とか、しつこくうるさく言うことはよくあるけど
でもそれで癇癪起こして暴れるとかはない。
ある程度までいったら こっちが流れを変えてやれば、ちゃんとそれに合わせて気持ちの切り替えができるようになってきてる。

それは 小さい時から”そういうこともあるんだよ”ってこと教えたり、気持ちの切り替えに工夫をしてきてるから。
そういうことを ずっと積み重ねてきてるから。
今ではバンビが自分で「そういうこともあるんだよね。」と言って気持ちに収まりつけようとしてることもある。

だから、私は別にスケジュール変更は怖くないし
一度決めたスケジュールは何がなんでも守らないと大変 とも思わない。
普通に生活できる。


そういうのは 別にバンビだけじゃなく
バンビの周りのPWSのお友達にも小さい時からそういう風に仕込まれてる子がいて
そういう子達はちゃんと気持ちの切り替えってできるようになってると思う。 


何度も言っちゃうけど、PWSは確かにストレス耐性が低いと思う。
そしてストレスがいろんな問題行動といわれる行動につながりやすい。

疲労のような身体的ストレスは 過度のあるいは不適切な睡眠に
あるいは それがメンタルに影響して ということもある。
精神的なストレスは パニックや癇癪やいろんなトラブルにつながる。
それはバンビを見てても感じる。
何かやらかす時は 必ず本人なりの(周りには理解しがたいことも多い)原因なり理由なりきっかけがある。


でもストレス耐性は強化することができるらしいんだよね。

私が思うその方法は
まず いろんな経験をすること。
失敗も大事。(そこから得ることもあるから)
だけとより多くの成功体験を積むこと。
そして、自信を積み重ねることで自尊感情を持てるようにすること。
自分はできるんだ。大丈夫なんだ。自分には価値がある、大切な存在なんだ。

この「自尊感情」って、ほんと大切。

学習行動においては、自尊感情が高い人は困難に出会っても粘り強く努力するが
自尊感情が低い人はすぐにあきらめてしまう傾向がある。
また対人関係においては、自尊感情の高い人は、他人からの賞賛や批判にさほど左右されず感情が安定しているが
自尊感情の低い人は、ほめられるとその相手が良い人に思え、けなされると悪い人に思えるようなところがあり
感情的にも不安定な傾向がある、とされる。


PWSの子は体力なかったり不器用だったりで 人よりうまくいかないこと多いし
それで人に何か言われたり、叱られたりして 劣等感ばかり募らせることになりがち。
プライドは妙に高いから そんな自分自身のギャップに苦しむ人もいるんだと思う。

そこをどう誉めて、アゲアゲにして 自信を持たせ自尊感情につなげていくか が
周りの、特に親の腕の見せ所なんじゃないかなー。 

それから 割り切りや達観を身に着ける。
失敗した時、思ってたのと違った時、勝負に負けた時 に
 まあいいか。また次があるよ。1回くらい大丈夫。そういうこともあるよね。
 頑張ったから仕方ない。残念だった。今度頑張ればいいよ。次は大丈夫。
そんな風に 気持ちの切り替えができるように。
これも日々の訓練の積み重ねで かなり変わってくると思う。


ストレス耐性って 脳の偏桃体ってとこの感受性によるらしく
特に 乳幼児期から思春期にかけての経験が大きく影響する って言われているみたい。
だから特に小さいプラちゃんのご家族の方、これからどう育てるかで 将来に影響があるかも?


子どもに向き合っていくのは 時間も気力・体力もかかって大変だけど
でもそういう今の苦労が 子どもの将来を、それに親である自分自身の生活をも変えていくかもしれないから。
目先の楽な方に流れず 将来の楽を目指して頑張っていきましょう。


まぁ、こんなことごちゃごちゃ書いても
そんなわかりきったこと今更 あるいは そうは言っても現実は って先輩ママさんに言われるかもしれないし
じゃああなたはちゃんとできてるの? って後輩ママさんにもつっこまれるかもしれないけど...


でも ”PWSは大変、困った、手に負えない”って言われてばっかりは悔しいから。
そうじゃないよって、やり方次第で何とかなるよ って、そう言えるように。
食欲とか肥満とか成人病とか、あるいは遺伝子的なところとか 医学的な面は今後もどんどん研究され変わっていくと思うけど
PWSのそういうメンタルヘルスに関わる部分を いちばん長く接している親から発信できたら
そんな風に思っています。

メールはこちらまで → yakkoxhs@gmail.com