テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

大化けの予感?

2017-02-03 22:09:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃわわゥ! すッごいィ~ぎょうれつゥ!」
「がるる!ぐるがるるぐるる……!」(←訳:虎です!スゴ過ぎてメマイ……)

 こんにちは、ネーさです。
 2017サロン・デュ・ショコラ東京は、
 初日の昨日が最大で3時間待ちの行列、
 2日目となった今日2月3日も午前中は入場に2時間待ち、と
 例年以上の大盛況となっているようです。
 週末にお出掛け予定の方々の健闘を祈りつつ、
 さあ、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪
 
  



         ―― パサジャウンの影 ――



 著者はドロレス・レドンドさん、
 原著は2012年に、日本語版は2016年12月に発行されました。
 スペイン語原題は『EL GUARDIAN INVISIBLE』、
 えーと、日本語に訳すなら
 『見えない守護者』って感じでしょうか。

「ふむむゥ、みえないィ……えッ?すぺいんッ?」
「ぐるるるる?!?」(←訳:スペイン語?!?)

 ええ、この御本の著者・レドンドさんは
 スペインの作家さんなんですよ。
 
 実は、私ネーさも、
 へえ、スペインのミステリって珍しいなぁと
 感心したのが読み始めたきっかけなのです。

 近年は北欧ミステリが世界的にポピュラーになって、
 でもスペインのミステリって、
 日本では殆ど紹介されてないでしょ?

「ふァいッ! れあァ、なのでスゥ!」
「がるぐるぅるる!」(←訳:期待しちゃうね!)

 注目すべき点は著者さんの国籍だけじゃありません。

 この御本、なんと、本国スペインで100万部近くを売上げ、
 さらに世界の34ヶ国で翻訳出版、
 映画化も決定して、
 無名だったレドンドさんを一躍人気作家に、
 作品の舞台となった地方も
 観光名所にしてしまった、という
 “余波”をもたらしたんですって。

「それはァ、まるッきりィ!」
「ぐるるるるがるーるー!」(←訳:シンデレラストーリー!)

 それほどまでに
 スペインの、世界各国の活字マニアさんを
 惹きつけた物語とは――

 スペインの、ナバラ州警察殺人捜査課の捜査官、
 アマイア・サラサルさん。

 未明に電話で叩き起こされたサラサルさんが
 眠い目を擦りながら
 急いで向かった先は、エリソンドの森。

 同僚の捜査官たち、
 ベテランの監察医とともに
 サラサルさんは現場検証に取り掛かります。

 現場の惨い様子に心の内で嘆き、
 でも表面は、クールに、実務的に。

「あれッ? いがいにィ?」
「がるーるる?」(←訳:グローバル?)

 物語に“スペインらしさ”を求めて読むと、
 ちょっと拍子抜けするかもしれません。

 確かに、背景にはイベリア半島の自然、
 バスク地方の文化や家族の在り方なども
 書き込まれてはいるのですが、
 それらがメインとなっているのではない、のです。

 著者・レドンドさんが綴るのは、
 過去から現在にまたがる犯罪と、
 事件を解決しようと努力する捜査官たちの群像劇、
 犯人との心理戦――

「ふわゥ! どらまちッくゥ!」
「ぐるるっ!」(←訳:展開速っ!)

 “スペインらしさ”を前面に押し出すのではなく、
 しかしオリジナリティを失うことなく、
 世界に通用するフィクションストーリーを語り切る。

 続編となる第二部、第三部も刊行が予定されているという
 シリーズの第一作を、
 ミステリ好きの皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね。
 この著者さん大化けするのでは……!と
 予感させられますよ♪
 

コメント
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