喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『水辺のブッダ』

2019-05-20 14:20:40 | ドリアン助川さん
ドリアン助川さんの新著『水辺のブッダ』(小学館)を読み始めました。


こんな場面から始まります。
《(略)ガード下に逃げこむ人が増えたことで、段ボールハウスは靴音の群れに囲まれた。薄汚い紙の仕切りの中で男はうずくまり、手を顔にあてて丸くなった。下にはブルーシートを敷いていたが、水はしみてきた。春の雨にしては冷たいと男は思った。
 男は目を閉じてただ小さくなっていた。尻や背が濡れていても、そのまま今日という日を終わらせるつもりでいた。すると、頭上を過ぎていく列車の音に混じり、そばで幼い男の子の声がした。
 「ねえ、なんでここに人がいるの?」(略)》


《なぜここに自分はいるのか?ここに自分がいる理由》
これからドリアンさんによるどんな世界が描かれてゆくのだろうか?
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また北山冬一郎

2019-05-20 09:48:08 | 北山冬一郎
先日の古本市で入手した本。
同人誌「輪」22号(1967年)。

52年も昔の本だ。
「街の草」さんの台で見つけたのだが、これに北山冬一郎に関することが書かれていた。
ちょっと前に、読書人、M 岡さんから提供を受けた資料で北山冬一郎に関するものがあり、今原稿を書いているところ(草稿まで書けました)。
ある雑誌の7月号に載せる予定です。
その題は「北山冬一郎その後のその後」というもの。
わたしは北山のことを幻の詩人と言っているのだが、こう次々と資料が出てきたら、幻ではなくなってしまうかも?
で、今回のものは驚くなかれ、海尻巌さんが書いておられるのだ。
海尻さんのことは昨年、氏の故郷但馬まで取材に行って原稿を書いた。
縁はつながるものですね。

この本で、もう一つ話題。
裏表紙です。
大阪ガスの広告。
これは伊勢田さんの手配によるのでしょうね。
氏は大阪ガスに勤務しておられたので、宣伝費を引っ張り出されたのだ。
言いたいことはそれではなかった。
ここに写っているガス炊飯器!
うちにあったはず、と思って家内に聞いたら、「この前捨てた」だと。
50年以上も昔の炊飯器がつい先日までうちにあったのだ。
《 正価4400円から10ヵ月払<1回>470円から 》とある。
時代を感じさせます。
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