kohが「ジーチの青春の一冊は?」というので、それならこんなのが、と
「ただ麦藁帽子のかすかに焦げる匂いがするきりで」という一行の話をしてやりました。
すると「あ、それにしよう」と。
学校からの課題で、身近な大人が推薦する青春の一冊を取り上げて感想を書き、それに推薦者がコメントをするというもの。
なかなか面白い宿題だ。
丁度年頃もkohにピッタリ。
早速ブックオフへ行くと、kohは通路に入っていったかと思うと「あった」と言って出てきた。
その小説はこう始まる。
《私は十五だった。そしてお前は十三だった。》
もう60年も昔、中学生のわたしがそのころ読んでいたのは主に江戸川乱歩、コナン・ドイルなどだった。
そんな中で、毎月取っていた学習雑誌に載っていた堀辰雄の「麦藁帽子」を読んで衝撃をうけたのだった。
「これが大人の文学なのか!」と。
そして先の一行「ただ麦藁帽子の、かすかに焦げる匂いがするばかりで」が頭に刻み込まれたのだった。
この度、60年ぶりに全編読むことになって、内容はすっかり忘れていることに愕然とした。
しかし、青春の入り口の精神状態の細やかな描写など、雰囲気はそのまま蘇ってきて、いい時間を持つことができた。
但し、kohが印象的に思った一行と、わたしの「ただ麦藁帽子の」とは違ったようで、それはまた当然でもあります。
「ただ麦藁帽子のかすかに焦げる匂いがするきりで」という一行の話をしてやりました。
すると「あ、それにしよう」と。
学校からの課題で、身近な大人が推薦する青春の一冊を取り上げて感想を書き、それに推薦者がコメントをするというもの。
なかなか面白い宿題だ。
丁度年頃もkohにピッタリ。
早速ブックオフへ行くと、kohは通路に入っていったかと思うと「あった」と言って出てきた。
その小説はこう始まる。
《私は十五だった。そしてお前は十三だった。》
もう60年も昔、中学生のわたしがそのころ読んでいたのは主に江戸川乱歩、コナン・ドイルなどだった。
そんな中で、毎月取っていた学習雑誌に載っていた堀辰雄の「麦藁帽子」を読んで衝撃をうけたのだった。
「これが大人の文学なのか!」と。
そして先の一行「ただ麦藁帽子の、かすかに焦げる匂いがするばかりで」が頭に刻み込まれたのだった。
この度、60年ぶりに全編読むことになって、内容はすっかり忘れていることに愕然とした。
しかし、青春の入り口の精神状態の細やかな描写など、雰囲気はそのまま蘇ってきて、いい時間を持つことができた。
但し、kohが印象的に思った一行と、わたしの「ただ麦藁帽子の」とは違ったようで、それはまた当然でもあります。