地理の部屋と佐渡島

2009年4月よりの佐渡単身赴任があけ、2014年4月より長岡へ。別れが絆をより深めた。今後ともよろしくお願いします。

10.23新潟県中越地震168 「寺沢バス停付近の風景」

2005年09月25日 17時56分03秒 | 新潟県中越地震

▲写真①

 

 朝日川づたいに東山トンネルへ向かった9月19日。トンネルの向こうへは行けなかった。引き返して塩殿方面へと向かう途中、寺沢バス停のあるあたりで周囲の風景を撮影した。遠巻きに見える集落背後の崖崩れ(写真①)が目に入ったためだ。山間部は同じ場所を行って引き返すこととなっても、取材上困らぬ事が多々ある。行きで見えなかったものが帰りに見えると言うことがあるからだ。

 

▲写真②

 

 写真②は①の現場にズームをかけて撮影したものだ。この後わかるのだが、この沢ずたいの崖崩れが小さな川を危険渓流にしてしまう。そのため、近くの民家脇には土嚢が積み上げられている。崩れた斜面を植物が覆うのはいつになるだろうか。

 

▲写真③

 

 写真③は道路と川を挟んだ対岸側をズームしたもの。至る所で重機が動いている。山間部なのでこんな所で何をしているのかと思われるかも知れないが、生活上必要な山道も多い。また、集落背後となるとさらなる土砂崩れへの備えも必要である。

 

▲写真④

 

 山の緑が少し欠けて地肌が出ている。そしてその右側には屋根をブルーシートで覆われた建物がある。まだまだこの様な建物もあちこちで見受けられる。次の冬が来ぬうちに屋根の修理がかなうのか。

 

▲写真⑤

 

 道端にクルミが落ちているのを発見。上を見るとなるほどクルミの木の枝が道路を覆っている。9月も中旬となるとそろそろ木の実の季節だ。写真のデータサイズのせいで紹介できなかったが、ここはとある民家のすぐ近く。写真②で説明した土嚢が小さな川伝いに二段重ねでつみあげてある。かなり厳重なものだが、家を守るように積み上げてある。小河川とはいえ、勢いよく土砂混じりの水が出たら大変。昨年の七.一三水害では山間部にある小さな河川が思わぬ被害を引き起こしている。

 

▲写真⑥

 

 錦鯉養殖用のハウス。特に池から魚たちが戻る晩秋から使われる。鯉は高価だがその意味がよくわかる。施設とその維持には莫大な費用がかかっているのだ。泳ぐ宝石は養鯉職人の手間と施設設備で初めて輝きを得る。

 

▲写真⑦

 

 ガタガタと集落脇の山の方から音がする。キャタピラを付けたトラックにパワーショベルだ。どうも山へ通ずる道沿いの斜面が崩れているのか、林道工事のようだ。何でこんな道にと思ってはならない時がある。山間部には奥に棚田や養鯉池があったりもする。中山間部の沢ずたいの道を進むと、たいした田畑はなさそうに見えることがあるが、場合によっては周囲の山の上や向こう側に存在することがある。このことは、佐渡で言うと海沿いの集落に共通するものがある。

 トンネルをそのまま進めたらこの集落の紹介はできなかったであろう。震災被害の取材を通じて、ふと足を止めた小さな集落。思えばいくつも同様の経験をしてきたが、いずれものどかでよい。そののどかでよい風景にはかならず崩れた斜面が伴う。悲しいものだ。遠くにあって自分の故郷を思い出す時、だれがこのような崩れた斜面を思い出すだろうか。むき出しの地面が木や草に覆われ、緑の山と水も清らかな清流の復活を望まずにはいられない。

 

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なつかしい (とむふーる)
2005-10-01 16:22:37
寺沢では、1日中子供の相手してましたね。

子供の相手をしてると親御さんの家の片付けがなかなか進まないんじゃないか

ってことで1日子供を公民館で預かったんですけど(当時は夏休み)

いやー元気でしたねー。午前中だけでもうバテバテでした(笑)

あの子供たち元気にしてるかな~。

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Re.なつかしい (かんりにん)
2005-10-01 19:12:02
コメントありがとうございます。



あの子供達...



取材当日、手持ちぶさたでぶらぶらしている

小学生を何人か見ました。

きっととむふーるさんが相手をした子供達も

いるものと思います。



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