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久しぶりのハイサーグラフである。今回はヘルシンキ。フィンランドの首都
のグラフを紹介しつつ、フィンランドという国に思いを寄せてみる。
【意外と近い】
国土のほとんどが北緯60度を超える極北の国。北欧は遠いというイメージが
我々日本人にはあるが、実はロシアを除けば最も近いヨーロッパ。直行便だと
9時間半ほどでいけるとのことだ。
【言語系統はアジア】
この国はヨーロッパにありながら、言語系統をたどるとその起源をアジアに
求められるという。同じ北欧の国のノルウェーやスウェーデンとは違うのであ
る。国土は約34万平方キロメートル。日本の国土から九州を除くとちょうど
同じくらい。人口は少なく約500万人。新潟県がおおよそ250万人である
から新潟県二つ分。ずいぶん人口希薄な土地柄である。
【湖が多いのは】
だがそれも致し方ない。国土は先の氷河時代に分厚い氷河に覆われ、数多く
の氷河湖を伴い。今日なおその緯度から寒冷な土地柄である。森林資源には恵
まれるものの豊かな農牧業地を持つわけでもなく、人口を支える大きな力は無
いものと言える。
【遊牧のラップランド】
しかし、そんな国であるからこそ、豊かな自然と人々の素朴な生き方に魅力
を感じてしまう。国土の北端はラップランドと呼ばれる地域。ラップ人とか、
サーメ人と呼ばれるトナカイの遊牧を生活の糧にしている人々の世界。極北の
地に住まう人々にも、自然と共に生きる姿がある。
【極夜とカーモス】
そのラップランド。12月ともなると太陽が地平線上に顔を出さなくなる極
夜の季節。カーモス呼ばれるすべてが青く見えるという幻想的な現象を見るこ
とができるという。オーロラだけではない。極地に起こる独特な現象を体験し
た人は少ないであろうが、何とも興味津々。
【ヘルシンキの冬】
今回紹介したヘルシンキは国の最南端。奥に帝政ロシアの首都であったサン
クトペテルブルクのある、フィンランド湾湾口に位置する。気候区分で言うと
亜寒帯湿潤気候。冬季の冷え込みは厳しいが、それでも最寒月で-6℃付近。
緯度のことを考えるとさほどでもないように感じてしまう。
夏の白夜の季節は光りあふれるという。スオミ。この国の別名。針葉樹の緑
豊かなタイガ地帯と湖のきれいなフィンランド。なんとなくあこがれる国であ
る。
注:極夜:緯度66度を超える北極圏や南極圏で起こる現象。一日中地平線上に
太陽が昇らない現象。この逆が白夜。夏至の頃を中心とし、一日中太陽が沈
まないという現象。フィンランドは北端のラップランドがその範囲にはいる
ので、観光の目玉の一つとなっている。
2005年 地理の部屋と佐渡島