佐渡市魚市場「シイラ」

　トロ箱に収まりきらない大きな魚がいた。遠くから見ても一目でそれとわかる。シイラだ。雄は成長すると頭部が出っ張り、わかるものにはこれこそシイラというどう猛な風貌となる。

　写真のものは明らかに１ｍ超。俗に言うメーターオーバーの大物の域に達している。網にかかったか、トローリングで上がったかはわからないが若干の傷が付いていた。

　隣のトロ箱にはそれから見ると小振りの、雌と思われるシイラもいる。成長すると雌雄ペアで行動。一匹釣ると二匹釣れる。と言ってもよいほどの夫婦仲のよい魚。さすがに自分はそこまでの大魚は釣っていないが、雄雌共に釣り上げるというのは経験している。

　釣ることを考えると引きは強い。とにかく強い。万力とも言われる強烈な引きは薄い魚体からは考えにくい。自分はメタルジグというルアーで釣ったが、危険きわまりない。かけはずすとルアーが鉄砲玉のように自分の方に飛んでくる。この魚がかかったとわかったら、まずは竿のティップ（先端）部分は水中に入れた方がよい。

　ガタガタとリールを巻く手も震えながらも、しだいに魚体が見えてくるとその美しさに惚れ惚れする。かかっていてもしばらくは船縁で行ったり来たりさせ、じゃれさせたい。青みがかった色合いで着飾った海のランナーの姿をしばらくは眺めていたいためだ。


　釣り上げると鮮やかな金色になる。びっくりするくらい美しい。死に際の化粧のようだが、しばらく経ち、船から上がる頃になるとくすんでくる。生前の姿からは想像もできない。写真のものは死後そう時間が経っていないのであろう。まだ鮮やかな金色の部分が残っている。



　料理方法が悪いせいかもしれないが、食べてうまいとは思わない。ただ、引きの強さと美しさは一級品。８月から９月にかけては沖へと船で出て、是非出会いたい魚である。親しくする車屋の店員さん。今夏１．３８ｍ（♂）をあげたというので携帯におさまる写真を見せてくれた。近海ではほぼ上限のサイズであろう。嬉しそうに語り始めた。


　下記ＵＲＬのページはシイラに関する情報を丁寧に提供している。よろしかったらご覧あれ。正月以来２００５年度は一度も釣りに行っていない管理人の嘆き、このサイトは見て楽しいが、つらいものもあった。あ～ぁ．．。

ひょうごの旬のマガジン「ふるさと特産館」より旬の食材館・シイラ
http://www.shunmaga.jp/zukan/gyokairui/siira/siira.htm