◎炎のランナー(1981年 イギリス 124分)
原題 Chariots of Fire
監督 ヒュー・ハドソン
◎1924年、パリ
5月4日~7月27日にかけて、パリ五輪が行われた。その陸上競技100メートルと400メートルの物語だ。
もちろん、この映画でいちばん有名になったのはイギリスの陸上選手たちが波打ち際を走っていくところだけど、なんといっても、ぼくらがおぼえていて、何度観直しても鳥肌が立っちゃうのは、そこで掛けられてたヴァンゲリスの「タイトルズ」だ。
この映画が封切られた頃、ぼくは大学に入ったばかりで、世の中はヴァンゲリスに満ち溢れていた。ほんと、ところかまわず鳴り響いてた。この作品だけじゃなく『ブレード・ランナー』やら『南極物語』やら、もうつぎつぎに音楽が書かれ、演奏されてた。だから、まったくこの映画の場合、音楽が独り歩きし、先行してた。むろん、ぼくも音楽から入った口だ。
映画そのものは地味だ。映像は美しいんだけど、やっぱり地味だ。それと、ぼくら日本人には少しばかり理解しにくいかもしれない宗教に対する敬虔さが大切な要素になってくるもんだから、ちょっとばかり入り込みにくい。とはいえ、そんなものは脇に置いといても十分に見応えはあるだけどね。