◇黄金を抱いて翔べ (2012年 日本 129分)
監督 井筒和幸
◇240億の金塊強奪
という話なんだけど、なんだか絵空事を無理してハードボイルドしちゃってる感じがしちゃってね、なんだろ、ちょっといまひとつ物語に入りにくかったような気がしないでもない。
まあ、妻夫木聡は上手に演じてるし、この頃、なんだか自分の殻っていうかキャラクターを打ち破りたくてしようがなかったのかしらね。テレビの『天国と地獄』で犯人役を演ったのもこの頃じゃなかったっけ?妻夫木くんはどうしても好い子の印象がぬぐいきれなくて、自分でもそれをよくわかってるんだろうか、だから『悪人』とか演ったんだろうか。なにもそんなふうに自分を変えようとしなくてもいいのにっておもったりするんだけど、まあ本人にしてみれば違うんだろな~。
いや実際のところ、これがこの設定そのままでパリだかニューヨークだかそんなところで展開してたらまた違った印象だったかもしれないけど、なんだか全体的にまったりしてる観があって、そういうあたり、キレが良くない。それと、ところどころ、なんていうのかな、そう学生運動のあった時代の特有の匂いっていうんだろか、そんな印象を受けたんだけど、勘違いかしらね。まあ、登場人物たちが悪ぶってるだけでいかにも好い人そうでどこから見ても悪人に見えないからそういう錯覚を受けるのかもしれないんだけど、そんなことないのかな。