△海のふた(2015年 日本 84分)
監督/豊島圭介 音楽/蘭華
出演/菊池亜希子 三根梓 小林ユウキチ
△西伊豆
なんだか似たようなほんわか映画が続く。
都会につかれた、仕事に限界を感じた、人間関係に嫌気がさした、田舎に癒されたい、なんだかんだ…てな感じで、妙に資金の豊富そうで頭も良さそうでそれでいてやけに浮世離れしてて生活力もなさそうなのにでも楽しく暮らしちゃってる女の子の映画がまた出来たのかって感じだった。
たいがいそういう映画は料理も綺麗に移されてて、おおむね、登場人物たちは旺盛な食欲こそ見せないものの妙に料理が上手でなんかにつけて拘りがあって、でも共通して男っ気がない。なんだか透明感を漂わせるばかりで、おもわず「欲情しないのか、あんたら?」とかって聞きたくなるんだけど、そんな下世話な野郎はこういう一連の映画は観なくてよいのだよね、たぶん。
でも、かき氷は僕も好きだし、夏になればかならずいただくもののひとつではあるんだけれど、都会のとっても暖かい店に入ってもやっぱり冬はあんまり食べないし、夏だって台風で吹き飛ばされそうな店には入りたくない。雨風の心配のないところで、なんだかおんぼろなんだけどおしゃれな感じのお店があればなおさらいいけど、海辺の掘っ建て小屋みたいなところでは味もあんまり期待できないような気がするし、そういうことからいえば、やっぱりこの作品も現実味に乏しいかな。
かき氷のようにふわふわした浮遊感だけ味わえれば、現実味なんてどうだっていいじゃんといわれれば、たしかにそれまでなんだけどさ。