◇地下室のメロディー(1963年 フランス 118分)
原題/Mélodie en sous-sol
監督/アンリ・ヴェルヌイユ 音楽/ミシェル・マーニュ
出演/アラン・ドロン ジャン・ギャバン ヴィヴィアーヌ・ロマンス カルラ・マルリエ
◇カジノ『パーム・ビーチ』のプール
そうだな~。まあ、凝った映画だし、スタイリッシュな画面だし、しゃれた音楽だとおもうんだけどね。
ただ、映画のほぼ半分くらいまで、ジャン・ギャバンに命令されたアラン・ドロンの下準備つまりカンヌでカジノのあるホテル『パーム・ビーチ』の踊り子ヴィヴィアーヌ・ロマンスをひっかけるまでの、なんともたらたらした、はすっぱな二枚目のお遊びが続いててちょっと飽きる。エレベーターの上に乗り込んでカジノの売上金を狙うという話がようやく出る頃には、かなり疲れてる。
ちなみに、アラン・ドロンの右の頬にある向こう傷がカッコイイのか、それとも余計なものなのかわからないんだけど、そういえば、この頃、向こう傷をつけた役って見なくなったなあ。
ただ、アラン・ドロンの昔の映画を観るといつもおもうことなんだけど、運動神経がものすごく好いんじゃないかって。それと、うでぢからがすんごくあるんじゃないかって。だって、ホテルの屋上の壁際をすいすいすらすらとよじ登っていくだけでなく、エレベーターの中に宙づりになってもいかにもたいしさことなさそうに片手で身体をささえて降りていくなんてことはなかなかできない。すごいちからだ。色男なのにな~。
でも、まわりに警察がいっぱいになって、ちょっとの間だけプールの底に沈めておくしかないかってそっと底へ沈めた、警察が血眼になって追いかけてる特徴的なバックから札束がなんとも虚しく浮かび上がってくるまでの緊張感はもの凄い。