☆夜明けの祈り(2016年 フランス、ポーランド 115分)
原題/Les Innocentes
監督/アンヌ・フォンテーヌ 音楽/グレゴワール・エッツェル
出演 ルー・ドゥ・ラージュ アガタ・ブゼク アガタ・クレシャ バンサン・マケーニュ ヨアンナ・クーリグ
☆1945年12月、ポーランド
第二次世界大戦末期のソ連軍の大侵攻による略奪と強姦の悲劇は満洲や樺太や北方領土のみならず東ヨーロッパでも凄まじいものがあった。いったいどれだけの人々がかれらの非人道的な暴力に踏み躙られたのか、想像もつかないし、おそらくぼくなんかの想像のとてもおよばないものがあるんだろう。もちろん、樺太や北方領土を見るまでもなく、そうした時代の爪痕は今もなお厳然として残されてる。どうにかならないのかっておもうけれども、この映画はそんな大それた話じゃない。でも、たいせつなことだ。
実話である。
女医マドレーヌ・ポーリアックがポーランドの修道院において献身的におこなった医療行為の物語なんだけど、いやまあ、このモデルの女医さんに主役のルー・ドゥ・ラージュはとってもよく似せてる。
ま、女医さんの方がアイドル的な微笑みだけど、それはさておき、彼女はこの修道女たちの多くを救った英雄的な行為の翌年、不幸にも事故で他界しちゃってる。天に召されたんだね、とかいうおためごかしは一切きかないくらい、この時期の3つの修道院を襲った事件は悲劇的だ。ほんと、ソ連兵ってのはけだものかとおもったりするけど、でも、例外的な人間もいるようで映画の中では修道女を守ろうとした兵もひとりいたっていうことになってる。とはいえ、シスター役のアガタ・ブゼクはいう。
「信仰は24時間の疑問と1分の希望」
その希望が最後の最後に、孤児たちを修道院にひきとることで修道院でつぎつぎに生まれた赤ん坊もまた育てていくことに支障がなくなるというものなんだけれど、ともあれ、これで院長のように神の御心なのかどうか知らないけど十字架の前におきざりにして凍死させずに済むわけで、なるほど、希望だね。この大団円はせめてもの救いだわ。