◇ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年 アメリカ 181分/236分)
原題/Dances with Wolves
監督・主演/ケビン・コスナー 音楽/ジョン・バリー
出演/メアリー・マクドネル グラハム・グリーン モーリー・チェイキン ロバート・パストレリ
◇1863年秋、サウスダコタ州
シュンカマニトゥタンカ・オブワチつまり「狼と踊る男」の物語だ。
でも、物語をつくるうえでいちばん作りやすかったのかもしれないんだけど、この男ことケビン・コスナーが北軍の中尉だったという設定はどうにかならなかったのかしらね。というのも、インディアンの描かれてきたハリウッド作品に一石を投じたことはまちがいないものの、やっぱりどうしても優越的な立場にある白人から眺めたインディアンっていう構図になっちゃうからだ。そういうことから『アラビアのロレンス』の西部劇版のような批評を受けたりもしたんだろうけど、むりからぬことだったのかもしれないね。
とはいえ、ケビン・コスナーのがんばりようはたいしたもので、まるでデビッド・リーンみたいな大平原を撮ってみせたし、バッファローの大群をどうやって集めて撮影したのかっていうくらい映像的な驚きはある。
もちろん、インディアンの言葉が男性語と女性語に分かれてたせいで言語担当の女性にだけ頼ってしまったため男はみんなオネエ語になっちゃってたとか、そういう細かなまちがいはあったにせよ、うん、よくやったな~っていう印象はある。