◇スノーホワイト 氷の王国(2016年 イギリス、アメリカ 113分)
原題/The Huntsman:Winter's War
監督/セドリック・ニコラス=トロイアン 音楽/ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演/シャーリーズ・セロン エミリー・ブラント ジェシカ・チャステイン ソフィ・クックソン
◇いちおう『スノーホワイト』の続編
しかしながら、続編にする意味はどこにもなかったのではないか。
まあ、ユニバーサルとしては「続編つくるよ」とか発表しちゃったもんだから後に退けなくなったというのが実情なんだろうけど、そこはやっぱり、クリステン・スチュワートと前作の監督ルパート・サンダースとの不倫が発覚してしまった時点で企画を取り下げるべきだったとおもうわ。ま、ハンター役のクリス・ヘムズワースを主役にしてスピンオフを一本撮ろうという案に固執しちゃったのはわからないでもないけど、でもあかんね、それは。
どだい、このシリーズはクリステン・スチュワートの白雪姫があってこそ成立するわけで、それを降坂させて物語を作ろうっていうのはもう無茶としかいいようがない。だから、そこへどれだけ有名な女優を投入したところで、破綻するしかないような世界にあらたな物語を作り込もうとしたって、そりゃあかんでやっぱり。
とはいえ、一所懸命なのはわからないでもないし、むりやり作ったにしてはCGと編集でなんとかぎりぎり観られた。もちろん酷評だったし、ヒットもしなかったし、それがあたりまえだとおもうけど、でもまあ大画面で観るかぎり迫力はあったし、これはこれで仕方がないんじゃないかな。
でも、ほんとはどんな物語を作ろうとしてたんだろうね。すくなくとも女王のシャーリーズ・セロンは出てこなかったんじゃないかって気がするんだけどな。たぶん、女王が殺されたことに怒り狂った妹のエミリー・ブラントがその復讐に出てきたところをクリス・ヘムズワースが迎え撃つっていう物語だったんじゃないかしら。
もちろん、そこには微妙な三角関係とかが必要だろうし、で、登場してくるのがジェシカ・チャステインなわけで、たぶん、エミリー・ブラントの派遣してくる刺客になるはずだったんじゃないかな。つまり、エミリー・ブラントに育てられたふたりの再会とクリステン・スチュワートの三角関係っていう物語だったんじゃないかと。だってその方がすっきりすんなりするもんね。