◎ロビンとマリアン(1976年 アメリカ、イギリス 106分)
原題/Robin and Marian
監督/リチャード・レスター 音楽/ロビンとマリアン
出演/ショーン・コネリー オードリー・ヘップバーン ロバート・ショウ リチャード・ハリス
◎ロビンフッドの晩年
獅子心王ことノルマンディー公リチャード一世は、ロビン・フッドの物語では支援者の側に立ってるんだけど、この物語では冒頭から十字軍の遠征をひたすら続ける戦いの象徴として扱われる。当然、ロビンフッドとは相容れなくなり、老人や女だけのシャリュ城を攻撃しろと強引に命じたところで敵方に矢を射られて崩御することになるんだけれど、そこから年表をひもとけば、この物語は1199年の春ということになる。
それはともあれ、この映画が公開されたとき、ぼくはまだ高校生で、キネマ旬報を毎月取り寄せてて、そこで封切りを知った。
でも、まだまだがきんちょだった僕は「おじいさんとおばあさんの恋物語なんて観たくもない」っていうのが正直なところで、映画館に足を運ぶ気にもならずにいた。当時、ヨーロッパの中世の物語はときどきあって、世界史になんの興味もなかった僕は見向きもしなかった。
そんな自分の過去をおもえば、今、あまり観る気のしない青春物を観ている人達に僕の観たい映画の話をしたところで仕方ないんだろうね。
で、物語なんだけど、シャーウッドの森に帰ったロビン・フッドがかつての恋人だったマリアンを訪ねてみれば、ロビンの帰りを待ち切れずに修道院に入ってしまってて、それをなんとか取りやめさせてふたたび恋を語るようになるのも束の間、宿敵の代官が攻め寄せ、その戦いの果てに勝利を得るもののロビンも深手を負い、これではもう一緒に死ぬしかないとマリアンは毒を仰ぎ、めざめたロビンもまた死を覚悟し、矢を射って「この矢が落ちたところに一緒に埋めてくれ」といいのこすっていういかにも定番の物語が展開されるんだけれど、でも年を取ってから観てみると、これはこれで充分に鑑賞できた。
つまりは、そういう年回りになってきたってことだね。