◎THE GUILTY ギルティ(Den skyldige)
ほんと、この頃、北欧映画はおもしろいな~。
ほとんどが緊急通報指令室に奉仕しにきたヤコブ・セーダーグレンの電話の捜査と奮闘にだけ費やされるんだけど、それがなおさら緊迫感をあおるし、観客を惑わせる。そうか、誘拐されたかもしれないって疑われ、その連れ去られてゆくのを追いかけていく内に、あれ、これなんかおかしくないかっておもわせるのがほとんどないまま突っ走ってゆくグスタフ・モーラーの演出力はすごい。
ヤコブ・セーダーグレンが翌日、査問を控えていて、それは警官であることをいいことに無実の若造を撃ち殺しちゃったことが問題になってるんだけど、口裏をあわせてくれた相棒に頼んで誘拐されたとおもいこんでる事件を捜査させるっていう脚本も、子供の証言をからませて、弟の赤ん坊の腹を裂いて殺したのが刑務所帰りの夫にちがいないとおもわせちゃう展開も、連れ去られる先がコペンハーゲンの郊外の精神病院ってところから、これはまずいぞって観客におもわせる佳境はいやまじ脱帽するしかないわ。