◎みかんの丘(Mandarinebi)
そうなんだよね、みかんじゃなくてマンダリンなんだよね。映画の中でもちゃんとそういってるし、ジョージアについてもグルジアっていってる。ジョージア人もグルジーニっていってるし、エストニアとグルジアの合作がそうなんだから、日本もそろそろグルジアっていう呼び方に戻した方がいいんじゃないかな?
まあ、内乱の続く世の中で、双方の兵士がひとつ屋根の下で過ごさざるを得なくなって云々っていう筋立ては決して目新しいものじゃないし、なんとなく予定調和な物語ではあるんだけれども、でも、おもしろかった。主役のミカン箱をつくっている老人レムビット・ウルフサクもいい感じに白髯を蓄えたりして味があるし、登場したときの嫌ったらしさが絶妙だったギオルギ・ナカシゼがまたいい。
男4人の舞台劇みたいな感じはあるものの、オールロケのせいか、窮屈さや冗漫さはいっさい感じない。もっともアブハジアが舞台とはいえロケ地にはできないから、監督のザザ・ウルシャゼは黒海沿岸のグリア地方にマンダリン畑を作ったそうで、これがまた実に見事な果樹園に見える。うまいな~。