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とうもろこしの島

2022年04月28日 01時27分27秒 | 洋画2014年

 ◎とうもろこしの島(Corn Island)

 おそらく現代なんだろうな~っておもいながら観てると、舟艇でエングリ川を下ってくるグルジア兵でようやく現代なんだと確信できる。

 どうやら、1992年のアブハジア紛争の最中の話らしい。で、このとき、映画が始まってからようやく『あの人たちグルジア兵?』っていう台詞が出てくる。さらに娘マリアム・ブトゥリシュヴィリの『この島はどこの国のものなの?』という問いかけに、爺イリアス・サルマンは『耕した者の島』と答えるんだ。

 そうなんだよね、だから、この中洲で土壌の良し悪しをたしかめようと掘ってみたら、前の所有者の物らしき煙草の吸い口パイプが見つかるし、映画の最後ではマリアム・ブトゥリシュヴィリの忘れていった人形が見つかるんだ。洪水で何度も小さくなりながらもまた春になると中洲として再生し始める。グルジアだってアブハジアの独立をめぐって土地は小さくなったりしてるけどまた復興するんだっていう寓意が籠められてるわけだね。

 しかし、それにしても、このやけに鼻のでかい爺さんと顔中そばかすの孫娘はどこからやってくるんだ?

 ほとんど台詞がない映画なのに音は豊饒だなあ。
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