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バサジャウンの影

2022年04月20日 23時49分30秒 | 洋画2017年

 ◎バサジャウンの影(El guardián invisible)

 

 冒頭に「忘れたいと望むほどに忘れられなくなる。ウィリアム・ジョナス・バークレー」という献辞が出てくるんだけど、なんか、いまさら断わるほどの文句かな、当たり前だろっておもっちゃった。

 途中30分あたりまで、まるきりついていけなくて、森の中のせせらぎの岩場に横たわった裸体の死体と陰鬱な雨ばかりに気をとられて、どんどんわけがわからなくなり、果ては登場人物の相関図すら見当がつかなくなるっていうありさまだったんだけど、これって原作を読んでないとおもしろくないのかな?とおもったりした。

 で、恥毛を剃られた陰部の上にチャクチゴリっていう菓子が置かれてる。干した豚の皮を細断して小麦粉に練り込んで生地を作り、ラードで揚げる焼き菓子なんだけど、これが、姉の経営している菓子工場で作られてるところから、事件が主人公の女刑事の身の回りに関連してるってことが見えてくる。で、その故郷はエリソンドっていうらしい。

 母親の虐待が凄すぎてちょっと見るのが嫌になるんだけど、そもそも、この虐待の原因がわからない。母親が精神分裂症になってて強制的に入院させられてるのを観れば、そりゃそうだろっておもったりもするけど、この虐待と女刑事マルタ・エトゥラの現在とどう繋がってるんだろうってあたりが肝だ。

 まあ、過去の自分とぶつかるあたりはなんか良い感じではある。

 途中「胡桃は魔女のちからを象徴してる。小さな実の中に魔女が邪悪な欲望を集めた。それを誰かに食べさせてその人を病気にしたり意志を奪ったり呪ったりする」って叔母にいわれるのはおもしろかったんだけど、被害者のポケットにあった理由もまたわからない。

 要するにかなりの部分がちゃんと描かれてなくて、原作を読んだらわかるよ的な感じになってるのはどうもね。

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