撮影機材には、両手で包み込める心地よい大きさがある。このサイズは、 大きくもなく小さくもない微妙なボリュームであり、密に詰まった機能と美しさと気品が漂う。そんな黄金分割ならぬ、黄金ボリュームというのがあると思われる。
その典型例がフィルム時代のコンタックスG1である。小さなボディに優れた性能がギュッと詰まっている感じがし、大変心地よいボリューム感のある優れたデザインだった。そのボディサイズが(W)133mm×(H)77mm×(D)42mmであった。
同様にオリンパスペンFが127mm × 69.5mm X 62.5mm(38mmf1.8装着時の寸法しかWEBには記載がなく、おそらく30mm一寸と推測)である。大変忘れ得ぬ機材として、人々の心に残ったのである。
そして現在のデジタルペンE-Pシリーズが、この黄金ボリュームなのである。 E-P1及びE-P2は、120.0mm×70.0mm×35mmであり、新しく出るE-P3は122.0mm×69.1mm×34.3mmである。いずれも両手で包み込める大きさでありながら、大変優れた性能をもっている。
それは無駄な贅肉がない知的な空気、さらに言えば、このプロダクトをチョイスした人の感性や見識までもみてとれてしまうかのような空気を漂わせながら、多くの人々に受け入れられている優れたプロダクトデザインである。
それにしてもDGマクロエルマリートは、心地よいシャープさだ。それは威張るわけでもない泰然とした空気といったらよいだろうか。画像をよくみると、心地よい発見をさせてくれるかのようだ。ブラックのE-P2とスタイルがよく似合う。
それにしても、我ながらフォーサーズシステムの肩を随分担いでいるなと苦笑い。今日は七夕だったのかと雨空を見上げながら思う。
幕張新都心,2011年6月25日
OLYMPUS PEN E-P2,LEICA DG MACRO ELEMARIT45mm,f/2.8.
ISO200,露出補正-1/3,f5.6,1/400,iFinish