Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

私の小さな旅15.  ゆがんだ地域開発

2011年07月01日 | field work
 原子力発電所からの固定資産税が入る大飯町は、この地域には似つかわしくないウォーターフロント開発をしている。海を埋め立て、リーズナブルなリゾートホテルにヨットハーバー、こども家族館という公共施設、エルガイア大飯という関西電力のプロモーション施設、それに公園などが整備されていた。
 少し時間もあったのでエルガイア大飯へ出かけてみた。おそらく関西や東京の人間達によって企画制作されたであろう、ハイビジョン映像は実につまらなかった。こういう立地を無視した人工的な施設というのは、えてして共通するつまらなさが漂うのが日本の特徴である。PRはあっても、楽しませようとか、勉強になるといった、ホスピタリティや文化のクリエイションが全くないのだ。
 それに周辺は、地図で黄色で示されている未利用地が数多く残されている。一体なにをつくろうと目論んだのであろうか。そこでうみんぴあのHPをのぞいた。なるほど今は頓挫したリゾート法で、マリンリゾートを作ろうとしたのか。えっ!、送電塔がみえるこんな普通の場所でリゾートかい!?。ショッピンクセンターも逃げてしまったようだし、今は空地だけが茫漠とひろがっている。大飯町の町長が社長をつとめる典型的な三セクターだ。そしてリーズナブルなホテルとマリーナの収入源位しかないのだから、大きな負債をかかえているのだろう。それを原発の固定資産税で補填しているわけだ。
 日本のどこにでもある、事業に成功できない、ゆがんだ地域開発の現実をまのあたりにした。

大飯町,2011年6月12日
OLYMPUS E-P2,M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm,f:4-5.6
ISO200,29mm,露出補正-1/3,f10,1/250,iFinish
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