Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

私の小さな旅33. 北帰行

2011年07月28日 | field work
 小浜市西津の漁師街界隈は、 不協和音のない普通の風景なのだが 、生活感があり通りを歩くと味噌汁の臭いがただよい、 とりわけ目立つものはないが撮影しやすいフォトジェニックな場所のように個人的には感じられた。
 だからボディとレンズのテストには、調度良い。今回持参した広角ズームレンズとライカマクロエルマリートの画角に、よくなじむ街のように思われた。
 かつてNHKの朝の連続ドラマのロケ地にもなったことから、どこか映像志向の人間の舞台セット感覚に眼がとまるのかもしれない。
 私が小浜という場所を選んだのも、京都市からほぼ北にあたる唯一の街だからである。その北には、あまり理由がないのだが、しいていえば、これまで北に出かけたことがなかったといのうがその理由だろう。
 それ以上北になると、ロシアのウラジオストックになる。だから、京都市、小浜市、ウラジオストックは、ほぼ北への一直線上にならぶ街である。
 北帰行という古い歌がある。
「窓は夜霧にぬれてみやこすでに遠のく 北へ帰る 旅人ひとり なみだ流れて ...・・」
 都から北の故郷へ帰る人たちの心境を表した歌詞からすれば、かって京都へ鯖を運んできた小浜の人達が故郷に帰る様は、まさに北帰行だよな、と私は街を歩きながら考えていた。ただし歌詞のように涙は流さなかったかもしれないが。

小浜市西津,2011年7月23日
OLYMPUS PEN E-P3,M ZUIKO DIGITAL 9-18mm,f:4-5.6
ISO200,焦点距離9mm,露出補正-1/3,f8.1/320,iFinish
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