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フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編461. 新型コロナウィルス17. 日本の感染収束時期の予測 

2021年07月05日 | analysis

 

 日本のコロナウィルスの収束時期について、現時点でのデータを用いて探ってみよう。

 

1.日本の感染者数は全国値では収束、特定の都府県では拡大傾向

 図1は、厚生労働省が毎日発表している全国の1日毎の感染者数の推移である。

 全国値でみれば下げ止まりから、僅かに拡大の兆しがみられる。拡大の兆しは東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪の緊急事態宣言が発生された地域の感染者数増加がグラフに繁栄されている。それ他の道府県は低減傾向にある。ちなみに京都府は、宣言が出された地域だが現在では低減傾向である。

 このようにみると政府・自治体やメディアが盛んに報じている第5次感染の現象は、今日時点の全国値ではみられず、むしろ先5都府県に限っての話だということがわかる。つまり地域によって感染状況が、拡大傾向と収束傾向とに現時点で二極化していることになる。

 メディアは感染拡大地域しか報道しないから、あたかも日本全国に感染が拡大するかのようなあおり報道が多い。

図1.1日単位の感染者数推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(20202月〜5月31日)

 

2.ワクチン接種の効果について  

 図2は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。感染者数の低減と逆にワクチン接種回数が増加しているから逆相関の構造であり、はたしてこの二つの指標間に関係性があるのか、についてみたのが図3の相関係数である。逆相関だから、負の相関係数が出現すればワクチン接種効果が感染者数を低減させていることになる。

 2月から半月ごとの相関係数でみてみよう。3月前半から5月前半は正の相関であるから、ワクチン接種との関係性はみられない。むしろ緊急事態宣言による自粛の方が効果が大きいのだろう。しかし5月後半以降、負の相関が続くので、このあたりからワクチン接種の効果がでてきたといえる。今後負の相関が続く事が予想され、ワクチン接種効果が次第に社会へ敷衍してゆくものとみられる。

 図2.1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜6月4日、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

図3.月単位の感染者数とワクチン接種回数の相関係数

 

3.日本における社会的免疫獲得の時期はいつか?

 日本のワクチン接種回数は、6月30日時点で4,561万回である。日本の総人口は2021/04/14時点で1億2616万7千人であり、2回の接種をおこなうと、全国民の60%の2回の接種回数は1億4,800万人・回である。全国民の60%の2回接種が終わる時期を回帰分析(線形行列)で求めてみよう。

 図2.のデータを用いて、回帰分析で予測したのが図4である。2回のワクチン接種をおこない全国民の60%(社会的免疫は70%)が接種完了となる時期はいつかを回帰直線で示した。青の破線がそれである。破線中央に回帰式と決定係数R2乗値(ズレ量:値が大きいほど適切性ある)を示した。この回帰直線は過半の適切性を持っている。

 その結果、今日時点で日本の人口の社会的免疫60%に到達できる時期は、2回のワクチン接種数に換算すると、1年後の2022年8月30日頃という結果になった。

 回帰分析はこれまでのデータの推移のなかで一番説明力が高いところに直線を引く。図4をみると青の実線がワクチン接種回数累積値であり、接種開始時が2月中旬〜5月中旬までの3ヶ月が始動期の横ばい推移であり、それ以後1ヶ月半が急角度で接種が進む拡大期にはいったばかりである。そうした始動期の影響が出ているため、社会的免疫60%の時期が1年後になっている。

 現在のワクチン接種速度が、このまま急角度で維持されてゆけば60%到達時期は年内あたりに前倒しされるが、それがいつかは現時点のデータではわからない。来月あたりにそうした兆候が予測できると思われる。

 

図4.現時点での感染収束時期の予測結果

 

追記

 既に2回のワクチン接種も済み、私の頭の中でコロナ禍は終わった。コロナ禍でしていたことは京都アクアリーナに通いエアロビクスとウェイトトレーニングでダイエットをしていた。おかげて昨年夏より体重が9kg減少し、病院の血液検査の結果も体脂肪率が少し高いほかは、全ての値が標準値に戻っている。

 もう一つ外食をやめたことも大きい。先ずたっぷりのサラダなどの野菜を多く摂取し、肉を減らし植物性タンパク質の摂取に心がけた。そんな生活を続けていると、外食がいかにハイカロリー食材が多いかということに気づいた。つまり現代人は、食べ過ぎ、その結果太りすぎといえそうだ。

 飲食産業が不振だからといって、協力する意志よりも自分の体調維持の方がはるかに重要だということに気づかされたのもコロナ禍を経験してからだ。だから最近では、飲み会などに誘われると警戒心が先にくる。これで1kgは体重が増えそうだという具合に。

 感染の知識をハーバード大学のギゼックさんの本で勉強し、社会データを用いて収束時期の見通しまで得た。マスメディアの一喜一憂の無益な報道にかき回されることなく、客観的な情報から私なりの視座ができたと思われる。

 最近感染力が強いデルタ株などの報道もあり、オリンピックもあるなどの予測し得ない事態もあるから、一ヶ月後にまたアナリシスを執筆する必要がありそうだ。

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