さて、この時間に画材屋へゆけば、明菜姉ちゃんと鉢合わせするだろう。
人間の行動が読めるということは、街がほどよい大きさだからだろう。
アチキの顔をみるなり・・・
「隣でパフェだろ」
明菜「あったりー」
というわけで、パフェを食べながらアチキのスケッチなどを魚に・・・。
明菜「あら!これどこ?」
「北海道さーー」
明菜「それはそうだけど、こんな風景のところがあったかなぁー、この木はポプラにしては、少し形が違うけどなぁー」
「それ、糸杉だよ」
明菜「糸杉なんか北海道にあった?」
「帯広市の真鍋庭園にあった。25,000坪の敷地に数千品種の植物コレクションをしている。60年前からあるよ」
明菜「いったんだ?」
「いかないですうー」
明菜「あっ、また想像で描いた」
「はい、だってこんな丘は真鍋庭園にもないでしょう。でもいつかはいってみたいね」
明菜「小樽からだったら帯広まで3時間半かなぁー。これどう見たってヨーロッパじゃん」
「筆が滑ってね・・・」
明菜姉ちゃんと絵画談義が面白い。
そんな時間があるほど、今は静かな夏の時間が流れてゆく小樽の街である。
・・・
夏まっさかりの小樽の夕べである。