Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング470. 小説:小樽の翆398. 運命をつかみ損ねる女

2021年07月10日 | Sensual novel

 

 ベーヤンからスマホにメールがきた。

都心のホテルで昼飯を食べようだって。

さては情事でお泊まりだったんだ。

そんなわかりきった事は言わないことにして・・・、

「さて、なんだい?、お昼のテーマは」

ベーヤン「最近、わかったんだ。運命をつかむ女とつかみそびれる女の違いが」

「ほう、それは興味深い」

ベーヤン「運命をつかみそびれる女は、うちの上さんだ」

「上さんの愚痴かい?」

ベーヤン「愚痴は一杯あるが、ある時ふと思ったんだ」

「そうだ今度はこれにしようと面白い企画を考えて気分が乗っていたときに、上さんが掃除にやってきた。でっ、俺がじゃあ、ついでに空気清浄機の埃も取って、そういってカバーを外したところ・・・」

「あとでやって!。下にブラシがあるから」

ベーヤン「なんだ簡単な事なのに一緒にやればいいじゃんというのがこちらの根性だ。そういうやりとりをしている間に新企画のアイデアが消え去りそうだ。慌ててメモ、メモ・・・。それでようやく新企画はメモに留め置いたけど・・・。ふと考えると、これが運命をつかみ損ねる女だ、と思った」

「はあ!?」

ベーヤン「ところが前向きの女だったらしょうがないなぁ、と愚痴をこぼしながらかたづけてゆくだろう。これが社会だったら、その余計な事から仕事が広がってゆき、思いもしないところで運命が開けてゆくという例は数多い。そこだよ!、運命をつかむ女とつかみそびれる女の違いは!」

「つまり物事を真面目に考えてゆく女と、そんなことを気にしない女とがいるというわけだ」

ベーヤン「うん、細かいことを気にしない女の方が、運命に巡り会う確率が高いというわけさ」

「まあ、人間の近未来のことはわからんから、まあやっておくかとするお気楽根性の方が、いいわけねぇー」

ベーヤン「そこだよ、お気楽暢気な女の方が運命をつかみやすいということだね」

「ふぅーーん、人間は暢気な方が出世するというわけだ」

ベーヤンの理屈だから、あまり信用できない話だが・・・。

ベーヤンの家は仮面夫婦なのだろう。

自分の人生設計を描き、この男あたりが適当と狙いを定め、好きでもない男とセックスをし、これを恋愛という虚飾の言葉で飾り付け、子供をつくり、あとは我慢の日々暮らしで年老いてユクというわけだ。

そう考えれば、恋愛なんて言葉は小説の世界だけのことであって、男と女はオキトキシンの分泌で、たまたま手の届く範囲にいた者同士がくっついて所帯ができるのだろう。

セックスしたあとで、この女と相性がいいかどうかははわかるけど・・・。

今のところ代わりがいないから、これでいいやとあきらめ、あとはお互いの忍耐力があるのみか・・・。

そんな打算的な女のために、こちらは苦労したくないですねぇー。

一緒に暮らす意味がないじゃん・・・。

・・・

小樽は今日も晴天。さて午後はどこへゆこうか。

 

追記

 昨日のブログで、オリンピックは国家の実力を示す場だと書いた。そして来年冬季オリンピックを迎える中国から、どのように受け止められるかと懸念材料を書いた。

 そうしたらNHKの報道で、早速中国の庶民から「日本はせっかくの実力を示す機会を失って残念ね、来年は中国が冬季オリンピックを成功させるわ」、「今後日本の国際的地位は低下するだろう」とする発言を報じていた。実に冷静な見方である。

 そう世界は、日本の実力をみたかったのである。もう中国の庶民にまでいわれてしまった。情報伝達の早いこと。

 国際的地位の低下は、今後貿易立国日本にとって痛いダメージになるだろう。それは庶民の暮らしにまで影響を与えそうだ。優れた技術を持った中小の企業は、いずれ中国資本に飲み込まれるかもしれない。そうした事態に日本の論理や制度は通用しない。大量の日本人職人の解雇につながる事態だって考えられそうだ。それに食料の過半を輸入に頼る日本で、もはや日本の力のなさを見透かされてしまったのだから、今後大豆を買ってもぼられるだろうな。それは物価に即跳ね返ってゆく。

 そう世界は、ものすごくえげつないのです。それが国際社会です。

 既にオリンピックは、スポーツ競技の枠を超えて国家の実力を示す場になっている。難局だからこそ、そして感染者数の少ない日本だからこそ、その実力を世界は見たかったのだろう。

 世界は日本に失望したのであり、中国は諸手をあげて拍手した事だろう。

 そうした見地から国民を説得できる指導者がいなかった事が日本にとっての不運だった。残念ながら、みんな作文棒読みの役人ばかりでした。安心、安全、子供達の将来のために、といった作文用語の羅列では、何だ!、お前達は自分の国のことしか考えていないのかよ!、この地球をどうするんだよ!!、なにも提案がないじゃないか!!、と各国からつっつかれそうだ。

 オリンピックは世界各国から選手達がやってくる舞台だ。だから世界に対して困難な状況の中で何を発信するのか、世界は新しいコンセプトを求めているが・・・。そこが今問われている。

 私は開催時期をずらして、ワクチン効果が上がる秋にフル開催すればよいのにとする意見だが、これも外れちゃいました。

 日本も、運をつかみ損ねたといえるでしよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする