誰かが決めたわけではないけど、夏は海だ。
といって小樽じゃ海岸は2つぐらいしかないが、銭函のツカモッチャン家の翼君がバイトをしている海の家を目指した。
もちろん途中のくたびれた民家を描きながらだが・・・。
・・・
翼「コロナでお客さんも減ったよ。時折唐突に多い事もあるけど、まあ暇。オーナーは積丹のお店で、ここは僕に任せっきり。管理者がわりだよ」
「じゃ光凛さんと逢い引きの場所だ」
翼「いきなり、そこですかぁーーー。でもこんな小さな街じゃ、それぐらいしかすることないしさ」
「確かに・・・、同感」
明治の頃は北海道の首都と言っても良いぐらい繁栄した小樽も、今では札幌郊外の都市の1つであり、そして人口面では小さな街になってしまったから、目的がないと小さな街暮らしは退屈だろうとアチキは思った。だから男と女がラブラブするぐらいが気分転換の娯楽だろうか。毎日でもラブラブしたくなる伴侶を見つけるのがこの街に住むキーポイントかなあとアチキは考えた。
そう考えれば、人間もプリミティブな生き物だ。
翼「だけど大都会みたいに人との出会いがなくて単身アパートで一人悶々と暮らすことは、この街ではないよ。僕の高校は水産高校でしょう。だから地元民ばかりなのよ」
「ほう!」
翼「だってみんな小学校時代から友達ジャン。お互いに家庭の事までよく知っているし。だからねぇー欲求不満になると、小学校時代の顔見知りの女の子とするというのは僕の友達にも多いよ。女の子も、『男の子も貯まると大変だよね、じゃ同級生のよしみで人助けかなぁー。欲望のままにいれてもいいよ』ぐらいの感覚だよ。お互いよく知っているって大きいよね」
「顔なじみのよしみで・・・、なんか堅実だなぁー」
翼「高校生ぐらいになるとたまりに貯まるし、親もよく知っているから黙認。あの娘ならうちの嫁になるといいよね、なんて言われたら卒業して結婚式だよ」
「もちろんできちゃった婚もある」
翼「あるよ、お腹が大きくなって卒業式まで待てないなぁーなんていうので、先に産んでから結婚式をして、それから成人式かなぁー」
「子供付きで成人式」
翼「田舎じゃ、特に珍しいことでもないさ」
そんな話をしていると、顔なじみって男と女をつなげる大切な事なんだ。それに同窓生同士が仲が良いというのもうなずける。年齢も一緒だから相性バッチリだな。都会のワンルームマンションで友達もなく悶々と暮らすのと、田舎暮らしと一体どっちが幸せなんだろうと思う。
海岸を日本海からの熱い風が抜けてゆく。
フェーン現象かな。
・・・
小樽もまだ夏の盛りのなかにある。
追記
リセッション(景気後退)は、四半期のうち2期続けてGDPがマイナスであると定義されている。この定義に従えばアメリカ経済はリセッションの可能性を持っている。中間選挙を控えるバイデン政権は、雇用統計を示してこれを否定したが、定義を当てはめればリセッションだから彼のいうことは定義に反している。やはり彼はレイムダックだったか。
もう一つある。世界各国で消費税率が低減されているのに、日本だけが税率が下がらない。現状では5%に下げるのが妥当だと思われるが・・・。さらに個人の所得税も世界有数の高さだ。これも下がらない。
税率を下げれば財源が減るか。減りません。というのも国の国債償還分から消費税率低減の12兆円分を借金棒引きにすれば済む話だ。そんなのは、ボタン一つ押す話なので、すぐにできると思うけど。
そうしたことを指摘するメディアもないし、国民から下げろという声も聞かれない。わからない事が多い日本である。