数年前パリのノートルダム大聖堂の屋根を焼失したとき、WEB上で「石造建築が何故燃えるのか?」とする素朴な疑問がアップされたことを私は思い出していた。ヨーロッパの教会建築や街の建築の構造が全て石造ということはありえない。
建築の主要構造である、基礎、柱、壁あるいはバットレスは石造であっても、屋根や梁や桁、さらには2階以上の床は木造である。つまりヨーロッパの建築は、石と木との混構造である。そうしないと石では重すぎて屋根を支えられないでしょう。
随分前ですが、ミラノの大聖堂の屋根を歩かされたときは少し怖かった。というのもその木造の上に石張りだったからです。私は構造的に無理していると思われた。
でっ、ロシア正教会の屋根にそびえる玉葱上のドームは、なんでつくられているかというとやはり木造である。
2016年にロシア・ギジ島の世界遺産の研修ブログラムに参加し、玉葱ドームの小さな実物が置かれてあった。このときギジ島は大規模な改修工事中であり、多分傷んだ玉葱を展示していたのだろう。
もちろん玉葱の骨格も木造である。縦の壁上の板を多角形上に立ち上げその間の局面部分も木を曲げるか成形した木造であり、これだけだと雨による浸水がおきるので屋根瓦を重ねて貼り付け釘で固定している。ている。もちろんこの屋根瓦も木造である。
ギジ島のロシア人現場監督は好々爺の良き人であり、私達研修プログラムの参加者全員に交換した屋根瓦と釘をくれたのである。長い年月の中で風化しかけた世界文化遺産の屋根瓦。こういう土産というのは、容易に手に入るモノではない。さっそく頂き、額装して京町家の壁に掛けられている。
ロシア・ギジ島
EOS1DsMark3、EF28-300mm/F3.5-5.6
1)ISO800,露出補正0,f14,1/200
OLYMPUS E-M1、ZUIKO DG7-14mm/F2.8
2)ISO200,露出補正0,f5,1/250
3)ISO200,露出補正0,f4.5,1/160
Nikon CoolpixAW130
4)ISO125,焦点距離24mm,露出補正0,f2.8,1/30
iPhon13pro
5)ISO400,焦点距離26mm,露出補正0,f1.5,1/60